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共創サロン

2019年度 第2回  

日 時:
2019年12月18日(水) 18:10~19:40
場 所:
下関市立大学 本館3階II-301教室
参加費:
無料
◆学生の皆さんも学外の方も、ぜひ奮ってご参加ください(入退室自由)。
◆駐車場に限りがございますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。

講 師 :
田吹 香子(下関市立大学 准教授)
「読者を「閉じ込める」小説 -Tim O’BrienのThe Things They Carriedを例に」

 小説(物語)は英訳するとnovel (fiction)となる。私小説というジャンルもあるが、それ以外は作者が編み出す架空の「お話」だ。しかし、その「お話」を書く作者の履歴が「小説より奇なり」であるとしたら、読者はその物語を作者の経験を元にした独白と捉えるのだろうか。そして、作者はその読者の解釈にどう対処するのだろうか。
 今回は、1969年から70年にかけてアメリカ軍の歩兵としてベトナム戦争に従軍し、のちに小説家となったTim O’Brienが、「ベトナム戦争作家」として戦争の物語を書くことを期待される中、小説を用いて読者のその姿勢とどのように対峙したのかを、1990年出版のThe Things They Carried (邦題『本当の戦争の話をしよう』)を例に見てゆく。

講 師 :
福本 純子(下関市立大学 特任教員)
「農村における小水力発電の持続可能性 -広島県の農村小水力発電を事例として」

 近年、福島第一原発事故をきっかけに、再生可能エネルギーへの関心が高まっている。2012年7月には固定価格買取制度(FIT)が始まり、再生可能エネルギー利用を検討・導入しているのは、個人や企業だけでなく市民団体や地域社会にまで及んでいる。
 今回は、再生可能エネルギーのなかでも、水が豊富な日本で古くから利用されてきた小水力発電を取り上げる。小水力発電は、長年稼働を続けてきた発電所が残っている一方で、役目を終えて消えていった発電所が多いことも事実である。本報告は、50年以上存続してきた農村の小水力発電の継続のしくみを社会学的な視点から明らかにすることを通して、再生可能エネルギー利用の持続可能性について検討する。


過去の共創サロン
開催日 講 師 演 題
2019年11月20日

奥山 忠裕
長濱 幸一

市場と環境の調和へ向けて
ハプスブルク帝国における民族問題と商工会議所
2019年2月8日 濱田 英嗣
櫻木 晋一
横山 博司
水産物流通・養殖経済のフィールドワーク
貨幣考古学と経済史研究
不安の臨床社会心理学研究
2018年12月18日 荒井 智行 東インド・カレッジにおけるマルサスの経済学講義
2018年12月17日 三科 仁伸
三成 清香
近代日本の電力業と地域社会
現代に生かすラフカディオ・ハーン
2018年6月14日 横山 寛和 公的年金の持続可能性を考える
2017年12月6日 米田 昇平 経済学の起源とフランスのコンテキスト
2017年7月26日 オーホノイ バトサイハン
土屋 敏夫
ポスト社会主義モンゴルにおける記憶と変化

マレーシアにおける感性工学研究の動向と展望
2017年7月5日 叶堂 隆三 類縁関係とコミュニティ志向性
2017年6月1日 川野 祐二 非営利組織の統治問題
2016年7月27日 西田 雅弘
田中 裕美子
「欲望の体系(幸福の追求)」と「幸福であるに値すること」
『婦人労働の実情』にみる女性パートタイム雇用の変遷
2016年7月6日 森  祐司
岡本 次郎
北九州市における金融機関の店舗展開
東アジア地域経済統合の政治学
2016年6月15日 程 長泉
李 燕
石坂洋次郎とその文学
政府投資に対する監督について
2016年5月18日 山本 真敬 立法裁量とその統制手法
2015年12月16日 馬 叢慧 煎茶の中興の祖、売茶翁に見る荘子の影響
2015年6月24日 山川 俊和
佐藤 裕哉
環境・自然資源と貿易の国際政治経済学
地理学から原爆災害へのアプローチ
2015年5月27日 吉武 由彩
嶋田 崇治
献血行動の社会学的分析
1970年代ドイツにおける財政危機克服の試み
2014年11月19日 水野 祥子
飯塚 靖
グローバルな資源管理とイギリス帝国
内閣調査機関と中国「留用」引揚者
2014年10月15日 秋山 淳
ハオ リャン
中国語語法(構文)研究と教育
青島の介護事情
2014年7月2日 天野 かおり
森山 智彦
学校教育をめぐる政策動向と地域の関わり
壮年非正規労働者の働き方と希望
2014年6月4日 松本 貴文
藤谷 岳
過疎地域の課題とまちづくり
「エネルギー転換」と地域の発展
2014年1月29日 朴 成日 中国における老人扶養と法整備について
2013年12月11日 村田 和博
萩原 久美子
イギリス経営学史研究
民主党・チルドレン・ファーストとはなんだったのか
2013年10月23日 柳 純
橘 誠
日本小売企業のマーケティング
東アジアの中の『モンゴル』
2013年6月26日 久保 佳納子
高路 善章
コーポレート・ガバナンスにおける機関投資家の役割
英語で書けるようにするために
2013年5月29日 佐藤 隆 オーストラリアの多文化主義政策
2012年12月12日 重田 美咲
呉 香善
外国語としての日本語と『専門日本語教育』
独立運動後に増員された警察と朝鮮語教育
2012年10月25日 水谷 利亮
濱田 英嗣
公共サービスの供給と「第一線公務員」論
成功した技術革新・失敗した養殖経営
2012年7月26日 平池 久義
サムスン電子とイノベーション
2012年5月29日 外枦保 大介
西田 光一
現代工業の立地調整と進化経済地理学
人称転換から見た消費者参加型の商品開発
2011年12月6日 山川 俊和
高橋 和幸
「環境と貿易」の国際政治経済学
会計ディスクロージャーの展開
 -米国プロフォーマ会計に関する問題を中心に-
2011年11月17日 桐原 隆弘
飯塚 靖
ドイツにおける脱原発をめぐる市民的・哲学的討議
中国に農協はあるのか?
 -中国農村における合作経済組織の現状と問題点-
2011年7月28日 足立 俊輔

吉弘 憲介
病院原価計算に関する一考察
 -原価の同質性を「公共性」の観点から捉えた場合
社会を分断する租税政策
 -隠れた福祉国家における租税支出の機能-
2011年5月26日 鈴木 陽一

菅 正史
プラナカンの多島海
 -シンガポール・クアラルンプール関係史1963-1966
大規模商業施設の郊外立地の実証的分析
2010年11月9日 盧 永リン
王 暁光
漢字書道について
中国における数字の話
2010年7月22日 川野 祐二 新しい公共とマネジメントの役割
2010年5月20日 荻野 喜弘 私の地域・社会貢献について
2010年2月10日 佐藤 隆 下関フグブランド戦略
2009年10月22日 溝渕 彰 米国におけるコーポレートガバナンスの最新動向
2009年7月21日 中川 真太郎 Cross-border transport infrastructure and aid policies
2009年5月21日 高田 実 近代イギリスにおける個と共同性
 -自由主義と相互扶助-
2009年2月12日 木村 健二

中嶋 健
戸数割税資料による移民の階層分析
 -山口県玖珂郡の事例
わが国最初のスポーツ用品製造販売業者「美満津商店」について
2008年12月15日 難波 利光

川野 祐二
カリフォルニア州の財産税とは
 -財政・都市再開発・福祉の視点から-
非営利分野における日本的経営を考える
 -報徳社・近代篤志家等
2008年10月30日 浅野 雅樹
中川 圭輔
中国語教育における類義語の弁別法について
企業倫理問題に見る近年の韓国社会の変化
2008年3月6日 丹下 栄 西ヨーロッパ形成期の農村から
2007年10月11日 坂本 紘二 環境保全への《技術環境》と《用語環境》
2007年6月28日 大内 俊二 ケンブリッジ大学とケンブリッジの街
2007年4月26日 道盛 誠一 下関にまちの駅ネットワークを!