館長コラム 大学基準協会による図書館の評価
附属図書館長 西田雅弘

 2003年の創刊から4年が経過し、「図書館だより」は第4号を発行することになりました。各号の巻頭言を読み返してみると、この間の図書館の実情と課題が浮き彫りになります。下関市内の四大学による図書館相互利用の実現、切迫した書庫増設の問題、大学基準協会による評価などです。
 
 四大学の図書館相互利用は、その後も順調に機能し、図書館サービスの向上に貢献しています。緊急の課題だった書庫増設は、電算機室の移設と合わせて2005年度中に工事が完了し、書庫がパンクするという最悪の事態を回避することができました。
 
 さて、目下の最大の課題は大学基準協会による評価への対応です。大学基準協会の報告書の中で図書館について次のような評価をいただきました。評価は数値による4段階評価で、数値が大きいほど評価は高くなります。
  • 地域への開放 [4]
  • 他の図書館等とのネットワークの整備 [4]
  • 閲覧席座席数 [2]
  • 授業終了後の図書館学修 [3]
 「市民への開放、土曜・日曜開館の実施は、地域に拠点を置く大学の使命の実現として高く評価できる」と、〈長所として特記すべき事項〉に記述されています。また、四大学の図書館相互利用もネットワーク整備の具体的事例として挙げられています。本学図書館の先駆的な取り組みと努力が高く評価されたと言えるでしょう。

 しかし他方で、〈問題点として指摘すべき事項〉に「図書館閲覧席座席数が全学収容定員の6.94%であるという点は、早急に改善されるべき点であろう」と記述されています。学習室等の座席数を加えれば11.4%になりますが、閲覧席の座席数が収容定員の10%を超えるという基準から見れば、当然の指摘です。

 学科の増設や大学院の開設によって収容定員が増えましたが、建物の構造上の制約から閲覧席座席数の十分な確保が実現していません。今後、大学基準協会のこの指摘に応えていかなければいけません。(2006/3/23) 

 
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