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学長室より

平成28年度下関市立大学春学期卒業証書・学位記授与式告辞(2016年9月30日)

 今日、下関市立大学は11名の卒業生、1名の修了生を世に送り出すことができることとなりました。卒業生・修了生の皆さん、まことにおめでとうございます。皆さんは、これまでの勉学の証として学士・修士の学位を得、これからさらに活躍の場を広げていかれるわけでありますから、大変喜ばしいことと思いますし、皆さん方の頑張りに心から敬意を表したいと思います。卒業生・修了生を世に送り出すこの式に際して、改めて思いを馳せることでありますが、下関市立大学は1956年に下関商業短期大学と創立され、その後1962年の4年制大学への移行、1983年の国際商学科の開設、2000年の大学院経済学研究科の開設、さらには2011年の公共マネジメント学科の開設を経て、今日の姿に発展してまいりました。その間、19,324名の卒業生を世に送り出し、今日ここに12名の卒業生・修了生が加わったことになります。このように毎年卒業生の数を積み重ねていくことによって、社会における市大生のネットワークが着実に広げていっていることを実感し、さらにこの歩みを堅実に進めていかなければならないと思う次第であります。
  今日ここに下関市立大学を巣立つ卒業生・修了生の皆さんには、これまでの勉学において蓄積した知識に飽き足らず、異分野の知識を増やしながら現実の問題に対処していっていただきたいと願う次第であります。市大で過ごしたこの数年間は、皆さんの人生の長さに比べれば数パーセントに過ぎない短い時間ではありますが、物理的な時間の短さを超えて濃密な時間であったと信じております。しかしここで皆さんに申し上げておきたいことがあります。それは、大学でのある限られた時間の中での勉学の成績の善し悪しをあまりに過大評価してはならないということであります。ここで私の知っているある経済学者が言っていることを皆さんに紹介したいと思います。ハーバード大学でファイナンスを教えていたヘンリー・ライリングが次のようなことを言っています。「ハーバード・ビジネス・スクールはある学生のスクールでの成績・選択したコース等ありとあらゆる要素と卒業後の活躍との間にどのような相関関係があるかについて調査を行ったが、残念ながら、少なくとも長期的には学校での成績とその後の活躍との間には明確な相関関係を見出せなかった」ということであります。このことが物語るのは、たとえ大学でトップであろうかビリであろうが、それは短期的な学業の成果であり一つの指標にしか過ぎないということ、そして卒業後の人生はまだ4分の3以上が残っているのだということです。人生を400mのトラックに例えるならば、皆さんはまだ第1コーナーから第2コーナーに差し掛かかるところにいるに過ぎません。第1コーナーあるいは第2コーナーからトップを走っている人であっても第3コーナー、第4コーナーにおいて次第に後方に下がってくる人もあるかもしれませんし、スタート時点あるいは半分くらいまでは後方を走っていても、後半においてぐんぐんスピードをあげてトップに躍り出てくる人もあるかもしれません。要は、大学で学んだことは通過点における一つの評価に過ぎず、それを活かすも殺すもこれからの皆さんの心の持ちようと努力次第だということであります。皆さんが、市大で学んだ知恵やアイデア・経験を現場において鍛え、発酵させ、果敢にチャレンジし、失敗してもただでは起きないしぶとさを持ち、健康な体と柔らかな頭脳、そして温かなこころを持てば、先頭を走っていた人はペースを維持し、後方を走っていた人はさらにペースをあげていくことができるものと信じます。
 このことに関連して、お願いがあります。今日ここに、卒業式・学位記授与式に臨み、卒業証書・学位記を受け取るにあたり、在学時代に皆さん方が接した市大の先生や職員の方々との交わりを静かに思い出していただきたいと思います。沢山のアサインメントや、辛辣な指摘や難解な講義や有益なレクチャーを数多く経験したことと思いますが、そうした山ほどある先生や職員の方々との交わりのなかでそうした方々が語ってくれたもののなかに、一つだけでよいので皆さん方のこころに残った言葉を思い出してみていただきたい。それを皆さん方のこころに刻みつけていただきたい。さきに、4年間の成果を活かすも殺すも皆さん方のこれからのこころの持ちようだと申しました。こころの持ちようのよりどころあるいは核となる言葉をただ一つだけでよいので皆さん方のこころに刻みつけ、この大学を巣立っていただきたいと思います。最後に、これまで皆さんの学業を支えてくださったご家族、友人、そして何より皆さん方のこころに残る言葉を刻みつけてくださった方々に感謝の気持ちを忘れず、大いに活躍してください。今後の皆さんのご健闘を祈念しながら、平成28年度下関市立大学春学期卒業証書・学位記授与式の告辞といたします。

平成28年9月30日
下関市立大学
学長 川波 洋一