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理事長室より

孫文蓮(2013年7月16日)

 7月14日(日)に長府庭園で「孫文蓮」(そんぶんれん)を初めて観てきました。思っていたよりも背が高く、花も大きく見事でした。孫文蓮とは、孫文より贈られた中国古代蓮の種4つのうち1つが発芽したものに由来する。1918(大正7)年に下関を訪れた孫文は運動の支援者であった下関市長府の田中隆氏(1866~1935年)に返礼として中国出土の古代蓮の種を贈った。田中隆氏の死後、子息の田中隆尚氏(元群馬大学教授、2002年没)がハス博士の大賀一郎博士(1883~1965年)に育成を依頼し、1962(昭和37)年に種の1つが発芽し、孫文蓮と名付けられたという。下関日中友好協会金田満男会長の直話によれば、金田氏が下関への分根を申し出、1994(平成6)年に孫文蓮が長府庭園に分根され、田中隆尚氏らを招待して孫文蓮発芽式が開催された。それから毎年、気品ある美しいハスの花が咲き、現在に至っている。
 孫文蓮にまつわる話をいくつか紹介しておきたい。孫文蓮を発芽させた大賀博士は古ハスの研究者として知られる。1951(昭和26)年に千葉県の東京大学検見川厚生農場(現東京大学検見川総合運動場)内の落合遺跡で発掘された2000年以上前の古代ハスの実3粒を発芽育成し、その1つが発芽し、翌52年に開花した。このハスは「大賀ハス」と名付けられ、千葉県の天然記念物に指定された。その後、大賀ハスは岡山県吉備町出身の大賀博士の縁で岡山市後楽園にも移植されている。
 長府の孫文蓮は、金田満男・田中隆尚氏等によって1995年に中国青島市の中山公園(中山は孫文の号)に分根され、中山公園孫文蓮池となっている。また来年2014年に青島市で開催される世界園芸博覧会の下関の園芸スペースに孫文蓮を入れることが決まっているとのことである。
 ついでに金田満男氏から伺った下関市と青島市の友好都市締結に関する秘話を紹介しておきたい。金田氏によれば、日中国交回復後、中国を訪問した際に、面会した中日友好協会の廖承志会長に下関市の友好都市を紹介してほしいと直談判したそうです。廖承志氏はそのことを覚えていて、数年後に下関を訪れた時に、下関市関係者に青島市との提携を呼びかけ、これを受けて金田氏等の尽力によって、1979(昭和54年)年に下関市と青島市との友好都市の締結にこぎつけたとのことです。これを機縁に下関市立大学と青島大学との友好交流協定が1989(平成元)年に締結され、今日まで学生の交換留学などの交流が続いていることに思いをいたすと、感慨深いものがある。
 なお、廖承志氏は親日家として知られ、日中の交流、貿易に尽力された。国交回復前の1962(昭和37)年に日中総合貿易に関する覚書が廖承志氏と高碕達之助氏によって調印され、この覚書に基づく日中貿易は通称LT貿易と呼ばれた。LTとは、覚書に署名した廖・高碕両氏のイニシャルを採ったものである。
 参考資料:金田満男「孫文蓮後日譚」、「孫文蓮 今年も開花 長府庭園」(『毎日新聞』2013年7月11日)、「大賀一郎」「大賀ハス」(Wikipedia)、「鵠沼を巡る千一話」(インターネット版)など。