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理事長室より

黄色いガードレール(2014年5月12日)

 山口県に県外から来ると、道路のガードレールが黄色なのにびっくりする。本学学生の出身は山口県外が約8割であり、多くの学生諸君は黄色のガードレールを初めて見たことだろう。私も1967年から4年間ほど山口県で暮らしたことがあり、初めて黄色のガードレールにふれた。なぜ黄色なのかと周囲の人に聞くと、萩の特産である夏ミカンに因んだのだろうという。再び山口県に住むようになったが、黄色のガードレールはいつから誰が決めたのかなどは疑問のままだった。先日、『朝日新聞』夕刊の「知っとーと」欄に「ガードレール、なぜ山口は黄色」という記事(2014年4月19日付け)があった。主にこの記事によりつつ、ガードレールの色について探索してみた。その結果は次の通りである。

 黄色は「県民カラー」で、1963年の山口国体がきっかけで、当時の知事(橋本正之元知事)が、萩市の特産で、県花でもある夏ミカン色に変えようと発案して実現をみた。県土木建築部にある「道路整備技術の手引き」に、「車両用防護柵は山口県色(黄色)の塗装仕上げを原則とする」と明記されている。現在、県道と県管理の国道に計1200キロに及ぶガードレールが設置されているが、その大部分は黄色である。
山口県萩市では、1993年に初当選した野村興児市長が「黄色は注意を喚起する色。町並みにふさわしくない」と疑問を投げかけた。萩市の武家屋敷の外壁である「焼き板」の色が景観に合っているとして、市はガードレールをダークブラウンに次々と塗り替えた。なお、野村市長自身によれば、「平成8年(1996)の大議論を経てガードレール等の色彩を黄色系からダークブラウン系に切り替えを決め、国・県の関係機関に協力を要請」したという(萩市役所ホームページ「市長コラム 北斗七星」2014年4月15日号)。
国土交通省は2004年、防護柵の色に関するガイドラインを発表し、「白が標準」を見直し、各地の景観に配慮した色を原則とした。ガードレール製造業者でつくる鋼製防護柵協会によれば、現在は出荷の4分の1が白色以外だという。なお、国土交通省ガイドラインは、景観に配慮したガードレールの「基本とする色」として、ダークブラウン、グレーベージュ、ダークグレーの3色を提示した(鋼製防護柵協会ホームページ)。

 以上によれば、山口県による黄色の採用は、「白が標準」という国のガイドラインとは異なるものであったし、萩市のダークブラウンの採用も、国土交通省のガイドラインの見直しに先立っていたことになる。山口県や萩市の先例が国のガイドライン見直しを促したとみることもできよう。なお、島根県内でもガードレールにダークブラウンを採用している。国土交通省中国地方整備局松江国道事務所によれば、島根県内の国道9号出雲バイパス、松江道路玉湯バイパス(松江市玉湯町地内)、出雲市駅前周辺地域などのガードレールはダークブラウンとのことである(島根県ホームページ)。

 私の探索結果によって、長年の疑問は解消した。萩は久しく訪ねていないが、ダークブラウンのガードレールを確かめてみたい。学生諸君も白色以外のガードレールを探してみるのも面白いだろう。