ホーム > 大学概要 > 理事長からのメッセージ > 理事長室より

学長からのメッセージ
理事長からのメッセージ
理念と歴史
3つのポリシー
教員研究業績・教員評価・授業評価
教育情報の公表(法定事項)
法人情報
シンボルマークとスローガン
教育活動
国際交流
卒業後の進路
広報
同窓会

理事長室より

駐日英国臨時代理大使、市大で大いに語る(2014年7月22日)

 ジュリア・ロングボトム駐日英国公使・臨時代理大使は7月18日に行われた旧英国領事館のリニューアルオープン式典にあわせて下関市を訪れた。ロングボトム臨時代理大使の希望で、17日午後、下関市立大学で「女性の社会参画 日英比較」と題する講演を行った。会場には学生、市民など約150人が参加し講演に聞き入った。
 講演に先立つロングボトム臨時代理大使と大学関係者との懇談の場では、学生の留学について質問があった。本学からの外国留学は交流協定による1年間の交換留学が中心であり、残念ながら英国留学はなく、代わりに英国での1か月程度の語学研修を数年おきに実施している、可能であれば、英国の大学との交流協定の締結を希望している、と現状を説明した。その他、下関と英国との交流など和やかに懇談することができた。

 ロングボトム臨時代理大使の講演は、自身の経歴に触れながら、英国における女性の社会参画について語り、それを踏まえて、女性の社会参画の日英比較をデータに基づき明らかにし、最後に日本における女性の今後の活躍を期待すると結んだ。講演のなかで、自身の経歴を述べたなかで、とくに印象に残ったことはつぎの通りである。

  • 父親の励まし
     ロングボトムさんは中産階層の出身だったが、父親が「あなたは望むことができるよ」とつねに励ましてくれ、能力を伸ばすことができた。
  • 英国外務省への入省
     ケンブリッジ大学では国際言語を専攻。大学で外交に関する学生プログラムの研修に参加し、外交問題に関心を持った。それで、超難関の外交官試験にチャレンジし合格、英国外務省に入省できた。
  • よき上司とよき夫
     英国外務省の方針は、在外公館勤務の女性が妊娠した場合は、帰国させることを原則としていた。ロングボトムさんは、駐日英国大使館一等書記官として勤務時代に妊娠した。日本での出産を希望し、上司もそれを支援したため、本国外務省も認め、在外勤務中での最初の出産事例となった。
     夫がオランダ勤務となったため、オランダ勤務を希望し、出産予定の大使館員とジョブシェアリングすることで認められた。ジョブシェアリングとしては2例目だった。
     夫はケンブリッジ時代のボーイフレンドだったが、家庭での仕事を分担し、在宅勤務も含めて、可能な限り生活をともにした。
  • 女性公使
     2012年8月に駐日英国公使に就任、英国大使館では大使につぐナンバーツーの地位であり、駐日大使館では女性公使は初めてだった。
     駐日臨時代理大使は、大使として職務に当たるので、重要な決断を迫られることもあり、充実した日々を送っている。

 女性の社会参画の日英比較では、日本女性の低い労働参加率、雇用の中断、女性管理職の少なさ、女性労働に不利な制度などについて、数値をあげて説明した。なかでもとくに重視したのは、M字型の雇用の中断で、その大きな要因は子育て支援の遅れ、例えば保育所の少なさ、出産・育児休暇制度の不備、子育ての夫婦協力の弱さなどにある。この雇用の中断と配偶者控除などが女性管理職の少なさの大きな原因になっていると指摘した。
 ではどうすればよいのか。能力による人間評価、ワークバランス、家事の分担、夫の育児協力が大切であり、出産・育児休暇の充実、保育所の増加、配偶者控除の廃止の必要性を力説した。そして、アベノミクス第三の矢、成長戦略の中で、「女性が輝く日本をつくるための政策」、すなわち待機児童の解消、職場復帰・再就職の支援、女性役員・管理職の増加などの政策を高く評価し、とくに国家公務員の女性採用比率の3割目標に期待を寄せた。

 このようなロングボトム臨時代理大使の講演は聴衆に深い感銘を与えた。講演後に何人かの学生と話し合ったが、彼女の生き方が学生の共感を呼び、とくに女子学生にとっては励ましのメッセージとなった。私は、講演を聞いて、下関市は「女性が輝く都市」を宣言するのもよいのではないか、また、本学は、中期計画で人材の育成目標として「国際社会で活躍できる人材」を掲げており、「学生の国際交流の推進」という中期計画を再確認し、更なる学生の国際交流の推進、特に英国との交流を目指すことの重要性を痛感した。

 この講演は、本学では国際交流センターの「第2回日本にいながら世界を知ろう!!」という企画として取り組んだ。そのため、世話係は本学のJash(Japanese and English)という英語サークルで、つぎの5人の学生が担当した。

  司会 中川 秀汰
  サポーター
   山本 恭也(準備、マイク係、大使誘導係)
   鈴木  光(準備、カメラ係)
   近藤 美咲(受付、照明、花束係)
   松谷  葵(受付、マイク係)

  また、この講演には多くの市民も参加したが、その中に「TOAST MASTERS トーストマスターズクラブ」のメンバーもあった。このクラブについては、私は初めてその存在を知ったが、1924年にアメリカで設立された非営利の教育団体で、世界122か国に約14,500のクラブがあり、約30万人の会員が共通のマニュアルを使用して、楽しみながらコミュニケーションとリーダーシップの能力を高めているそうだ。下関にもこのクラブができて、英語スピーチなどで会員の能力向上を図っており、本学の学生、教員も参加しているとこのことで、私も誘われた。関心のある方は、本学の国際交流センターにお尋ねください。