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理事長室より

「第53回馬関祭」(2014年10月14日)

 第53回馬関祭(下関市立大学大学祭)が10月11日~13日に開かれた。今回の馬関祭は、台風19号に悩ませられながらの実施となった。開会式は予定通りに始まり、馬関祭を祝福する挨拶を行った。挨拶では、馬関祭のテーマ「echo」に寄せて、馬関祭の催しが参加者の間で大きく「こだまする」ことを願うとともに、環境に配慮したeco活動に期待する、とくに市民参加のフリーマーケットと古着を着こなすファッションコンテストに注目していると話した。そして「私は晴れ男」と言われているので、台風19号もそれて、馬関祭が無事に進行することを確信している、と挨拶を結んだ。結果は、台風の直撃はなかったものの、台風は馬関祭に大きく影響した。
 通常はステージ、校門に掲げられる大看板は、台風対策で高さを切り詰め、ぐっと低めに構えて、あたかもラグビーのスクラムの如くであった。スケジュールもかなり変更し、最終日の花火は初日の夜に変更し、無事に打ち上げられた。また、模擬店のテントも二日目には風対策で横幕は取り払われた。13日の最終日については、大学祭実行委員会が、台風19号の影響によって、すべてのプログラム(ステージ企画、模擬店営業、展示企画、爆笑ライブ)を中止すると決定し、「爆笑ライブ」のチケットの払い戻しを行うことも含めて、大学祭実行委員会のHPで公表した。安全第一、交通事情を考えての苦渋の決断といえるが、大学祭実行委員会の勇気ある決断に敬意を表したい。
 さて、二日間の馬関祭となったが、二日間とも私なりに楽しむことができた。初日は、第44回馬関寄席(主催市大落語研究会)を楽しんだ。私の聴いたのは、「狸の札」「平林」「親の顔」「シンデレラ伝説」「手水まわし」の5題、始めて聴く新作もあったが、いずれも定評のある作品であり、大いに楽しめた。出来具合は、古典は難しく、新作の方が演じやすいように思えた。ということもあったかもしれないが、私が聴いた中では、枕(まくら)を振り、仕草と工夫もあり、落ち(さげ)も決めた噺になっていた、立川志の輔の新作「親の顔」に取り組んだ、花見亭白髭男(さんた)の出来が良かった。大トリまで聴けませんでしたが、落研の皆さんのますますの精進を期待している。
 次にファッションコンテストを見物した。応募者は男子学生2人、女子学生2人、いずれもファッションセンスのありそうな4人。第1部はクイズによる4人が身に纏う古着を決めるまで、第2部は古着を着てのコンテストで審査員による順位付けを行った。順位付けは会場の一角の参加者の投票によって決め、3人の審査員による特別賞もあった。第1位と特別賞はともに女子学生で、両者ともチャーミングな着こなしだった。だが最大の盛り上がりは、会場の審査員からの得票がゼロと思われた瞬間に、会場の「おばあさん」が立ち上がり、大きく両手をあげ踊りの振りをつけて1票を投じたのである。大きな拍手とともに、馬関祭が目指していた市民と学生との交歓が巧まずして実現した瞬間といえよう。
 二日目は、サークル展示を見て回った後、大学祭茶会に出席した。すでにお菓子が配られていたが、正客の席を譲られ、恐縮しつつ席に着いた。正客としての責任が果たせたかは自信はないが、席を譲ってくれた次席の方に助けていただき、また高木先生の丁重な対応もあり、和やかで有意義な茶席となった。学生たちの所作、受け答えもしっかりしており、頼もしく感じた。今後精進を期待する。
 第53回の馬関祭は三日目のプログラムを中止せざるを得なくなった。大学祭実行委員会としてはたいへん残念なことだったと思うが、視点を変えてみれば、リスク管理を現場で学習する貴重な経験になったともいえる。このことは参加したサークルなどにとっても同じことだろう。学祭実行委員会にとっては、チケットの払い戻しなど後始末が残っているので、最後までゆるむことなく、職責を全うしてほしい。
 最後に、開会式で「私は晴れ男」と挨拶したことは、見事に外れてしまった。責任を感じて、今後は「私は晴れ男」を返上することにした。