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理事長室より

「拝啓JT様」(2015年5月11日)

 5月9日(土)、小雨のなか、近くの綾羅木川の堤防道で実に実に久しぶりにゴミ拾いを行った。この道は散歩も含め歩く人が多く、それだけにゴミも多いが、ゴミを拾う人はいなかった。そこで、少しでも世の中のために、と思い立って我々夫婦でゴミ拾いを始めた。週1回で10カ月ほど続けたが、感謝の声をかけてくれる人もいたが、ゴミ拾いをする人は出てこなかった。冬になり、雨・風が強く、寒い日も続いたので、ゴミ拾いをいったん取り止めた。春になっても天候不順が続いたが、ようやく天候も安定してきたので、ゴミ拾いを再開したのである。
 今回の場合は、ゴミの8割はタバコの吸い殻とパッケージで、その他では菓子類の袋、ティッシュなどが目についた。家庭ゴミも少ないが草むらに捨ててある。意外だったのは、ペットボトル・カン類が少なかったことである。おそらく、まだ本格的な暑さの季節ではなく、清涼飲料水の需要が少ないことによると思われる。

 そこで、「拝啓JT様」となるのである。JT社には、喫煙マナーに関するいっそうの啓発をぜひお願いしたい。人ごみや駅での歩きタバコは火傷や受動喫煙にもなるので、止めるべきである。タバコの吸い殻は町中の至るところに散乱しており、美観を損ねること大である。さらにニコチンが大地に融け出し、拡散し環境にもよくない。確かに喫煙の健康への悪影響、屋内などにおける禁煙・分煙など、喫煙そのものへの対応は、十分とは言えないが、進んできている。そこで、JT社には、歩きタバコ・吸い殻のポイ捨てをやめることを目的に、徹底したキャンペーンに取り組むことを希望する。ぜひ本気で検討してほしい。

 近時、街中でゴミ拾いや除草をしている個人、集団が目立つようになってきた。本学でも大学周辺のゴミ拾いを職員のボランティア活動として月1回行っている。また、海岸清掃活動には学生も含めて参加している。知人によれば、公共施設等のトイレ掃除のボランティア活動を行っている団体もあれば、事業所の清掃日を設けて、全員の参加でトイレも含めた清掃を実施している事業所もあるという。公共施設のトイレ掃除を積極的に行う姿は想像するだけでも清々しい気分になる。

 掃除といえば、禅宗では、修行僧たちが守るべき日常生活の規則である清規(しんぎ)を定めている。日常生活に関わる労働は作務と称し、修行の一環として位置付けられており、なかでも掃除はとくに重視されている。臨済宗相国寺派管長(金閣寺・銀閣寺住職)の有馬頼底老師は、「勉強する前に掃除せえ」として、次のように語っている(「勉強する前に掃除せえ」(日経ビジネスオンライン、2015年3月6日)より要約)。

 禅語に「無事是貴人」という言葉があります。「無事」とは精神が安定していて、何事もなく静かに日々を過ごせること。それができる人こそ最も尊いと、禅は教えています。今、日本人には無事の教えが求められていますが、無事で過ごせる秘訣は掃除です。
 私は学習院初等科を中退して寺に入りましたから学歴はありません。寺の小僧をしていましたから、勉強なんてしなくてよかったんです。勉強はせえへん替わりに坐禅とお務め、そして掃除は徹底的にしました。掃除さえしていたら、お坊さんは合格やから。
 掃除というのは、確かに物をきれいにするという意味があります。確かにそれはそうなんだけど、本当の掃除とは、自分自身の心を清め、平静に務めることです。
 掃除から、始めてみませんか。きっと幸せを拾うことができますよ。

 私のぶつぶつ言いながらのゴミ拾い程度では、まだまだ幸せを拾うまでには至っていませんが、今後の精進のなかで幸せを拾うことができるように務めたいと思っています。