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理事長室より

平成28年度春学期卒業式祝辞(2016年9月30日)

 下関市立大学の平成28年度春学期卒業式にあたり、理事長として祝辞を申し上げます。卒業生並びに修了生の皆さん、本日はご卒業・修了おめでとうございます。また、これまで皆さんを支え、励ましてこられたご家族・保護者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。

 多くの皆さんが本学で過ごした4年あるいは2年を超える間に、日本にとっても世界にとってもまれにみる激しい変化が起こっています。例えば、国境・民族を巡る紛争、内戦やテロ、難民問題、イギリスのEU離脱決定などの世界政治の混迷と混乱があり、日本では日銀のマイナス金利導入に示される経済低迷、人口減少社会の到来などなどです。
 日本では、人口減少問題について、政府・自治体をあげて地方創生に取り組み、地域においてもまち・むらづくりに取り組んでいるところですが、子育て支援も含めて、現状は実りある成果を生んでいるとは言い難い状況です。

 皆さんを待ち受けているのは、このような多くの諸課題を抱えた社会であります。不透明な未来に向かって、皆さんが頼りにするのは、勉学やサークル活動など本学での学生生活で得たものだと思います。そこで、私からは、卒業生、修了生の皆さんの新しい門出にあたって、はなむけの言葉を贈りたいと思います。

 皆さんはiPS細胞の開発者である山中伸弥さんのことはご存じのことでしょう。iPS細胞が医学の分野で本格的に活用される時代がやって来つつあります。その山中さんが2010年に京都賞を受賞され、それを記念する京都賞高校フォーラムで高校生に向けて「VWのすすめ」という講演をされました。山中さんはiPS細胞の開発に至るまでに幾多の挫折を繰り返したそうですが、その時の支えになったのが、米国留学中に恩師から贈られた「VWが大切だ」という言葉でした。「VW」はもちろんフォルクスワーゲンのことではなく、”Vision & Hard Work”ということです。山中さんは「目的、ビジョンをしっかり持って、そのために一生懸命働く」ということに努め、失敗を繰り返しつつも、ついにiPS細胞の開発に成功しました。このような体験を踏まえて、山中さんは、(1)ビジョン&ワーク、(2)失敗を恥じるな、(3)いい時も悪い時も頑張る、というメッセージを高校生に送ったのです。

 実は私も失敗・挫折の連続でした。大学受験に失敗し浪人生活を送ったことがあります。また大学卒業後に就職した会社は4年たらずで辞めました。終身雇用が当たり前の頃のことで、覚悟のいる選択でした。大学で勉学のやり直しをしましたが、大学院ではなかなか研究が進まず、したがってなかなか就職できず、オーバードクターを経験しました。その後、国公私立大学に勤務し、それぞれの大学で苦労をしてきました。大学では研究のほかにも、「苦労は買ってでもせよ」の精神で「世のため、ひとのため」の仕事も引き受け、それぞれに”Vision & Hard Work”に努めてきました。このような「七転び八起き」の「わが青春と人生に悔いなし」です。

 私も皆さんに同じ”Vision & Hard Work”という言葉を贈りたいと思います。ほとんどの皆さんが進学、勉学、部活、就活、家族・友人関係などで、何らかの失敗、挫折の経験を持っていることでしょう。むしろ失敗、挫折経験のない人間が珍しいくらいなので、問題はそれにどう立ち向かっていくかだと思います。それには”Vision & Hard Work”が大切です。皆さんがそれぞれのビジョンの実現に向かって失敗を恐れず、自らの人生にチャレンジされることを願っています。そのことが皆さんの人間としての成長をもたらしてくれることを確信しています。

 卒業生と修了生の皆さん、本学で学んだことに自信と誇りを持って、それぞれの道で高い志を持ち、目標の実現にチャレンジしてください。努力の汗は正直です。必ずや報われるはずです。皆さんのこれからのご活躍を期待するとともに、将来が実り多きことを願って、祝辞といたします。

平成28年9月30日
公立大学法人下関市立大学
理事長 荻野 喜弘