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理事長室より

「チャレンジという言葉」(2017年3月6日)

 「日経ビジネスONLINE」2017年3月3日号に田原総一郎「東芝に求められる「土光イズム」」が掲載されている。田原は、東芝は不適切会計問題とアメリカの原子力事業の巨額損失などによって、「下手をすると倒産するのではないかとまで言われている」、と指摘する。そのうえで、元東芝社長だった土光敏夫が「チャレンジ精神」で当時の東芝の立て直しや国鉄・電電公社などの公社公団の構造改革に取り組んだことを想起し、東芝に対して「土光イズム」=チャレンジ精神を取り戻すことを求めたのである。

 さて、東芝の「不適切会計問題」とは、過剰な業務改善を各事業部門に求め、利益の上積みを「必達目標」として達成を求めたことに起因していた。このことによる不正会計処理は2008年の西田厚聡社長時代から始まり、佐々木則夫、田中久雄という後継社長に引き継がれた。「だんご三兄弟」ならぬ、この歴代3社長が利益の積み増しを求める際に使ったが「チャレンジ」という言葉であった。

 東芝社長だった土光の「チャレンジ」という言葉は、「チャレンジ・レスポンス」というセットで用いられている。組織体に揺さぶりをかけるために、相手に対する「問いかけ、働きかけ」が「チャレンジ」で、相手に対する「報告、意見」が「レスポンス」である。「チャレンジ・レスポンス」というコミュニケーションによって、組織活動をダイナミックにするというのである。西田ら歴代3社長の「チャレンジ」は会計操作による利益の水増しだった。東芝にとっては、土光の「チャレンジ」は組織活動を活性化させ、経営再建につながったが、歴代3社長の「チャレンジ」によって倒産の危機にひんすることになった。皮肉なことに、同じ「チャレンジ」という言葉が真逆の結果をもたらしたのである。田原さんは「チャレンジ」という言葉にブラックユーモアの意味を込めたのかもしれない。

 田原は、上記の文章を、日本の大企業の経営者たちに「求められるのは、自らを守るための改善よりも、市場で競争できる強みを磨く改善だ。土光イズムを今一度、取り戻してほしい」と結んだ。チャレンジ精神が求められているのは、単に大企業経営者だけではなく、日本の政治、経済、社会の広い分野にわたっており、当然のことながら大学にも求められている。
 大学は教育、研究、社会貢献などの分野で、日本の現状を打破する役割を期待されている。各大学とも目標・目的を明確にし、その達成に向けた具体的計画をたてて実施しているが、社会の期待からみるとまだまだ十分とは言い難い。大学としては、自らの目標・目的及び計画を如何にして達成するか、いっそうの工夫と努力が必要である。その際に大学の教職員に求められるのは、大学の果たすべき使命(目標・目的及び計画)を自覚して、それぞれの立場で自らの高い目標の実現を目指して、「チャレンジ精神」を発揮することだといえよう。大学人よ!頑張りましょう。

 なお、土光敏夫については、「理事長室より」の「2014.08.12 土光敏夫」で取り上げています。本学HPより読めますので、ご参照ください。