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理事長室より
馬関祭見聞録(2018年10月9日)
今年度の馬関祭は、台風第25号の影響で、当初の10月6日~8日の予定を変更し、7~8日の2日間で実施された。7日は朝から「槌音高く」、メインステージづくり、模擬店のテント張り、イベント施設の設営などに取り組み、馬関祭の開会式は、予定の13時を少し遅れて、13時30分ころに開会となった。第57代大学祭実行委員会轟木 康陽委員長の開会宣言、続いて学友会代表らによる鏡割りで、馬関祭の開幕となった。私は開会式に立ち合い、会場を一回りしてから、正門前で自宅からの車を待つことにした。
正門前で学生3人が警備に当たっていた。「ここで出迎えの車を待っていいですか」、と尋ねると、「どうぞ、どうぞ、椅子に座って待ってください」というので、椅子に座って、学生たちと雑談を交わすことになった。「地域のひとですか、市民のかたですか」と問うので、「違うよ、何だと思うかね」と逆質問してみた。「学校の先生、教授、職員」と次々に質問を繰り出すも、そのたびに「いいえ」を連発した。しばらく繰り返したのち、「大学関係者ですか」「そう」「教授じゃないとすると、大学長ですか」「近い」、そして最後に「理事長ですか」「ピンポーン」とようやく正答がでた。「顔を見たことない?」ときくと、首を振り、「入学式で挨拶しましたか」ときくので、「したよ」と答えると、「どっかで見た顔だと思った」というような会話を楽しんでいたら、迎えの車が到着。学生たちには、「警備は大切な仕事なので、しっかり頑張ってくださいな」と励まして帰途についた。
学生たちとの会話で、かつての馬関祭での学生とのやり取りを思い出した。その時のことは、「第49回馬関祭『始末記』」(学長日誌2010年10月25日)で紹介したことがあるので、転載する。当時、私は学長1年目で、学生たちにはあまり顔は知られていなかったようだ。馬関祭は10月22日(金)~24日(日)で、最終日のことでした。
24日は残念ながら朝から雨でしたが、学生たちは「雨にも負けず、風にも負けず」の精神で、学祭に取り組んでいました。(中略)雨は時に強く、時に弱まったりという状況でしたが、折角のステージは雨に濡れたままでいた。学祭実行委員会の部屋があったので、「雨が降り続いたらステージでのイベントはどうなるのか」と尋ねたところ、「中止です」との答えなので、「教室に会場を移すことを職員と相談してみたらどうですか」と促してみました。その後学生支援班に尋ねたところ、学祭実行委員が来て、「学外のおじさん」からのアドバイスがあり、教室使用を申し出たので、認めましたとのことでした。「学外のおじさん」の正体が分かって、ちょっとした笑いとなりました。あとで確認したところでは、教室を使用してのイベントが行われたとのことであり、「学外のおじさん」としては喜んでいます。
話を今年の馬関祭最終日の10月8日に戻す。模擬店で昼食を調達して食事後、メインステージの「お笑いLIVE」を楽しむことにした。出演は「おばたのお兄さん」と「とろサーモン」という「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」所属の二組のお笑い芸人だったが、二組とも初見だった。若者の間では、結構な人気とのことで、結構な拍手を取っていた。しかし、如何せん、世代間ギャップには勝てず、ネタもあまり面白いと思えず、残念ながら笑えず仕舞いだった。
つぎに「お化け屋敷」に入った。昨年度の「お化け屋敷」を体験したが、「怖くなかったよ」と感想を告げたことがあり、今年はバージョンアップしました、というので、大いに期待した。懐中電灯が必要とのことで、しばらく待っての入場となった。キャーという声が聞こえたりしたので、確かに工夫の跡が見られたようだが、私が一番怖かったのは真っ暗な階段教室を降りるところで、つまずかないように懐中電灯の助けを借りた。注文を付けるとすれば、例えば、お化けなどが出る時には、もう少し動きをつけたり、鳴り物や照明で効果をだすなど、演出に工夫すると、いっそう怖いお化け屋敷になると思う。もっともあまり怖くして、気絶するような人がでると大変ですが。
そのつぎに「合気道合同演武会」を見学した。今年は部員が少ないこともあって、九州工業大学との合同演武会となったという。プログラムによれば、市大生6名、九工大生4名の参加であった。開会式に続いて、挨拶の作法について、演者による挨拶に基づいて、部長の稲垣庄真君による説明があり、演武開始となった。両大学学生による演武では、受身、基本技、指定技、自由技が披露された。日頃の鍛錬がうかがえるしっかりした演武だった。演武はその後も続いたが、後ろ髪を引かれる思いで、会場を後にした。あとで稲垣君に尋ねると、本学も九工大も部員数が少なく、たいへん困っているとのこと。「柔よく剛を制す」といわれるが、その代表的なものが合気道、護身術としても有効だ。関心のある学生諸君は、学友会館の武道場を訪ねてみたらどうでしょうか。
お笑いのステージが始まるのを待っているときに、見たことのあるような社会人が「理事長ですか」と声をかけてくれた。そして、「同窓会福岡県支部の坂本周治です」と名乗られた。確かに見覚えがあるお顔なので、「今日は何事ですか」と尋ねると、「合気道部の出身なので、演武会に出席です」とのことで、「後ほど伺います」と約した。道場で再度挨拶を交わし、市大合気道部の指導をされている方をご紹介いただいた。坂本さんの稽古着姿は凛とした立ち姿でお似合いでした。
そのまたつぎは、落研による「第48回馬関寄席」でした。6日、8日の二日間に亘る寄席の予定だったが、台風のため初日は中止で、8日の一日興行となった。演者6名ずつの予定を再編成して、7名の演者と大喜利という演目となった。演者・演目は次の通り。
一「つる」あばら家 見死眼(みしがん)、二「宝くじ」花見亭 白髪男(さんた)、三「酢豆腐」あばら家 虚無哀(こむあい)、四「百年目」春好亭 厚顔(こうがん)
中入り
五「大喜利」、六「時そば」あばら亭 扇太(ふぁんた)、七「二番煎じ」花見亭 制欲(あなきん)、大トリ「はてなの茶碗」春好亭 叫(ほえーる)
なかなか豪華なラインナップである。ちなみに、高座名は新入会員の特徴に因んで、先輩がつけるとのことである。「制欲」君は、まくらでエッチな名前を付けられたので、就活の面接で落研だとわかり、高座名を聞かれたら、それでオチる、とまくらオチから本題入りだった。本学落研には、あばら家、春好亭、花見亭という三つの亭号がある。今回の演者もそれぞれの亭号を持っている。
すべての演目が終わった後で、舞台下に演者一同が立ち並び、落研会長の春好亭 叫(松本慶吾君)から、「本日はお運び頂き誠にありがとうございました。ご満足いただけたでしょうか。自分たちはこの一年間必死に頑張って、稽古を積んできました。その成果が本日の馬関寄席でした。今後とも市大落研をよろしくお願いします」という趣旨の挨拶があり、打出しとなった。
馬関寄席は毎年のように通ったけれど、今回はきちんとした着物に羽織の噺家姿で、それぞれの演目を話してくれた。とくに大トリの「はてなの茶碗」は、前評判通り(前日練習していたメンバーから明日の大トリはいいですよ、と聞いていた)、特段の出来ばえだった。(こんなに褒めることはめったにないことだ・・・・つぶやき)
落研の打出し後、会場広場に出ると、ハロウィンナイトのイベント中でした。、大勢の子どもたちがそれぞれに扮装を凝らした姿で、これまた仮装した学生たちと駆け回ったりでにぎやかでした。
最後は、日本舞踊さくら会の日本舞踊を堪能しました。4年間の集大成として見事な舞を披露した趙 占奇君をはじめ部員の皆さん、9月に来学したばかりの9名の交換留学生の皆さんがそれぞれに真剣に日本舞踊を舞う姿は美しいものでした。