2 財務状況から見た関門都市圏「地方銀行」の実態

西 田 顕 生

1 は じ め に

 本稿の目的は、福岡銀行、西日本銀行、福岡シティ銀行、山口銀行という地元四行の財務状況を明らかにすることにある1。関門地域にとって、これらの四行が極めて重要な存在であることはいうまでもない。下関市に本店を置く山口銀行はもちろんのこと、福岡市に本店を構える他の三行も北九州市に営業本部を置き、同地域で積極的に事業を展開している。同地域における預金や貸出金の銀行別シェアは公表されていないが2、地域の主たる企業の多くは、これら四行のいずれかをメインバンクとしており、関門地域における四行のシェアは非常に高いと見られる3。また四行は、財政資金の動きとも密接に関係している。山口銀行と福岡銀行がそれぞれ下関市、北九州市の指定金融機関であるほか(福岡銀行は富士銀行との交代制)、四行は両市が発行する債券(縁故債、北九州市の場合は公募債も含む)の引き受けも積極的に行っている4。以上のように、四行は地域の資金循環全般に大きく関与しているのであり、地域経済で果たしている役割は非常に大きい。それゆえに、地域での事業スタンスを決定する四行の経営状態については、地域全体が大さな関心を有している。
 今日、金融機関の健全性に対する社会的な関心は極めて高いものがあり、マスコミ等でも不良債権や自己資本比率に関する報道が連日のように行われている。しかし、そもそも収益があがらなければ、損失のバッファーとなる自己資本に厚みを持たせることは不可能であり、その結果、健全性や存続可能性が損なわれることを忘れてはならない。従って、今日の金融機関の財務状況については、その健全性だけでなく収益性からも十分な検討が必要であろう。そこで本稿では、主に収益性の観点から地元四行の財務状況を検討したい。なお、本稿が対象とする期間は1991年3月期決算(90年度本決算)から2001年3月期決算(2000年度本決算)までの11年間とするが、現時点までに事態が急変した事柄に関しては、必要に応じて2002年3月期中間決算(2001年度中間決算)のデータも利用することにしたい。

2 コアビジネスの収益性
 (1)預貸金租利鞘の状況
 最初に預貸金租利鞘について検討しよう。預貸金租利鞘とは、貸出金利回り(貸出金利息/貸出金平均残高×100)から預金利回り(預金利息/預金平均残高×100)を差し引いたものである。四行にとって貸出金は資金運用勘定の65%〜85%を構成する最大の運用手段となっており、預金も資金調達勘定の90%以上を構成する最大の調達手段となっている5。銀行にとっては現在も預金・貸出業務がコアビジネスであり、その効率性を示す預貸金租利鞘は、銀行の収益力を測定する最も基礎的な指標であるといえる6
 図1は、この預貸金租利鞘の推移を見たものである。図1−1からは、期間を通じて福岡シティ銀行の租利鞘が最も高く、以下西日本銀行、福岡銀行、山口銀行という順で低くなっていること、西日本銀行の租利鞘が四行の平均値に近い動きを示していることが理解される。また、預貸金租利鞘の四行平均との差を示した図1−2からは、1994年度〜98年度にかけて、四行(とりわけ福岡、西日本、福岡シティの三行)の租利鞘が四行の平均値に収斂していることが理解される。

図1預貸金租利鞘の推移
図1を見る
資料)各行『有価証券報告書』より、筆者作成。
注)凡例は図1−1に同じ。資料)図1−1に同じ。

 図2と図3は、預貸金租利鞘を構成する貸出金利回りと預金利回りについて、四行の平均値からの差を示したものである7。貸出金利回りについて見た図2からは、福岡シティ銀行の利回りが最も高く、一貫して四行の平均を0.3%ポイント以上、上回っていること、西日本銀行の利回りが四行の平均に極めて近い値を示していること、預貸金租利鞘とは異なり、福岡銀行の貸出利回りが最も低くなっている年が多いことが理解される。福岡シティ銀行の貸出金利回りが最も高い理由としては、利幅が相対的に厚い中小企業向け貸出が多いことがあげられる。1990年度末〜98年度末の平均で見ると、中小企業向け貸出の比率(金額ベース)は、福岡銀行で64.0%、西日本銀行で76.6%、福岡シティ銀行で79.9%、山口銀行で67.6%となっており、福岡シティ銀行の比率が最も高くなっている8。逆に福岡銀行や山口銀行の貸出利回りが低いことは、両行の中小企業向け貸出の比率が低く、利幅の薄い大企業向け貸出が相対的に多いことから説明できる。ただ福岡銀行も中小企業向け貸出に力を入れており、95年度以降、同行の貸出金利回りは上昇を続け、四行平均との差も急速に縮まっている。一方、山口銀行については、95年度以降ほぼ一貫して平均との差がマイナス方向で拡大している。同行の場合、住宅ローン等の個人向け貸出の比率も他の三行と比べて低く、これら貸出への対応の遅れが、貸出金利回りにおいて他の三行より低位にあることの主因であると見られる9
預金利回りについて見た図3からは、1994年度頃までは概ね山口銀行の利回りが最も高く、以下福岡シティ銀行、福岡銀行、西日本銀行という順で低くなっていることが確認される。94年度〜98年度においては、山口銀行の利回り格差の縮小と福岡シティ銀行の利回り格差の拡大が認められ、このことが、四行の預貸金租利鞘の収斂を導いたものと考えられる。また図2と比較すると、最高の預金利回りを示す銀行と最低の同利回りを示す銀行の差は貸出金利回りはど大きくないことがわかる。貸出金利回りの場合、最高と最低の差は2000年度でも0.7%ポイント近くあるのに村して、預金利回りの場合、その差は概ね0.3%ポイントの範囲にとどまっている。このことは、預金市場では貸出金ほど棲み分けが出来ておらず、各行がほぼ同じ市場で競争していることを示唆している。

図2貸出金利回りの推移(四行平均との差)
図2を見る

図3預金利回りの推移(四行平均との差)
図3を見る

注)凡例は図1-1に同じ。注)凡例は図1-1に同じ。資料)図1-1に同じ。

(2)総資金租利鞘の状況
 次に、総資金粗利鞘について検討しよう。総資金粗利鞘とは資金運用利回り(資金運用利息/資金運用勘定平均残高×100)から資金調達利回り(資金調達利息/資金調達勘定平均残高×100)を差し引いたものである10。 先に見たように、四行における最大の資金運用手段は貸出金であり、最大の資金調達手投は預金である。従って、総資金粗利鞘も基本的には預貸金粗利鞘によって規定されることになる。しかし、銀行は貸出金のほかにも有価証券コールローン等の運用から利息を得ており、預金のほかにも譲渡性預金、コールマネー等で資金を調達し、利息を支払っている。そのため、これら運用手段・調達手段の利回りも総資金粗利鞘に影響を与える。総資金粗利鞘は銀行のファンド・ビジネス全体の効率性を測る指標であり、預貸金粗利鞘よりも広義の収益性日標である。
 図4は、この総資金粗利鞘の推移を見たものである。図からは預貸金粗利鞘と同様に福岡シティ銀行の粗利鞘が最も高く、以下西日本銀行、福岡銀行、山口銀行という順で低くなっていること、西日本銀行が四行の平均に極めて近い動きをしていることが理解される。また預貸金粗利鞘については、1998年度以降各行とも大きく反転しているが、総資金粗利鞘での反転はわずかに留まり、各行とも伸び悩みの傾向が見られる。また図4-2と図1-2を比較すると、総資金粗利鞘が最も高い福岡シティ銀行について、四行平均との差は預貸金粗利鞘ほど大きくないことがわかる。同様の傾向は福岡銀行についても見られ、同行の総資金粗利鞘は預貸金粗利鞘ほど大きく平均を下回っていない。

図4 総資金粗利鞘の推移
図4を見る
注)凡例は図1-1に同じ。注)凡例は図1-1に同じ。資料)図1-1に同じ。

 図5は市場仕切レート分析の手法を用いて、総資金粗利鞘に対する主要勘定の貢献度について見たものである11。市場仕切レート分析とは、短期金融市場金利を金融機関による限界的な運用金利・調達金利と考え、総資金粗利鞘を、運用勘定構成科目の利回りが仕切りレート(本稿では無担保、翌日物のコールレート)を上回ることによる収益寄与分と、調達勘定構成科目の利回りが仕切レートを下回ることによる収益寄与分に分けて捉える分析手法である12。図5では、資金運用勘定を貸出金、その他運用に分け、資金調達勘定を当座預金、有利息預金、その他調達に分け、これら5つの科目が総資金租利鞘にどの程度貢献しているのかを分析している。
 図5-1〜図5-4を見ると、福岡シティ銀行の貸出金利鞘貢献度が高いことが注目される。このことは、同行の貸出金利回りが最も高いことと整合的であり、同行の総資金租利鞘が四行中で最も高いことの主たる要因であると推測される。ただ、福岡シティ銀行の場合、その他連用(商品有価証券+有価証券+コールローン+買入手形+預け金+その他)の貢献度が他の三行と比べて低く、このことが同行の総資金租利鞘における優位性が預貸金租利鞘はど高くない理由であると見られる。
 次に注目されることは、山口銀行のその他運用の利鞘貢献度が高いことである。同行の貸出金利鞘貢献度は四行の中で最も低いものの、福岡シティ銀行の倍近いその他運用の利鞘貢献度がこれを部分的に埋め合わせている。ただ、有利息預金やその他調達(譲渡性預金+コールマネー+売渡手形+借用金+その他)によるマイナスの貢献度が他の三行よりも高い年が多いために、結果として総資金利鞘は四行の中で最も低い水準にある。
 そして最後に、当座預金の利鞘貢献度が著しく低下したことが指摘できる。これは仕切レートとして用いたコールレートが大きく低下したためである。銀行にとって資金調達コストが上昇した1990年代初頭には、無利息の当座預金による利鞘貢献度もわずかにあったものの、景気の低迷が続き、金融緩和が進展した90年代後半には資金調達コストが大きく低下し、近年では同預金の利鞘貢献度がほぼ皆無な状態が続いている。

図5 総資金粗利鞘への利鞘貢献度
図5を見る

注)1.その他運用=商品有価証券+有価証券+コールローン+買入手形+預け金、その他調達=譲渡性預金+コールマネー+売渡手形+借用金
2.市場仕切りレート=無担保、翌日物コールレート
3.各グラフの数値は総資金粗利鞘を示す。
資料)図1-1に同じ。

3 業務全体の収益性
(1)業務利益の状況
 次に、業務利益について検討しよう。業務利益とは、業務粗利益(資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支)から、債券5勘定尻(国債等債券売却益+国債等債券償還益−国債等債券売却損−国債等債券償還損−国債等債券償却)と営業経費を差し引いたものである。業務利益は銀行の主たる業務から生じる利益を全てカバーしており、銀行業における基本的な業務全体の成果を示す指標となっている13
 図6は、この業務利益とその構成要素を総資産との比率で見たものである14。まず業務利益率(業務利益/総資産×100)について見ると、四行の平均値からの差を示した図6−6から、福岡シティ銀行の利益率がこの間大きく変動しており、1990年代後半には大きく低下していることが注目される。同行の業務利益率は91年度〜97年度にかけて四行平均を上回り、とりわけ95年度には平均を0.4%ポイントも上回る成果を残したが、98年以降、平均を下回る状態が続いている。先に見た預貸金租利鞘、総資金租利鞘とは異なり、業務利益レベルでの同行の優位性は90年代後半には確認できない。一方、福岡シティ銀行と逆の傾向を示すのが西日本銀行である。同行の場合、90年度〜95年度には四行の平均を下回り、95年度には四行中最低の数値を記録したが、97年度以降は四行中最高の数値を示している。

図6 業務利益とその構成要素
図6を見る

注)1.総資産に対する比率。各グラフの数値は業務利益率を示す。
2.総資産=(前期末資産残高−前期末支払承諾見返+当期末支払承諾見返)/2
3.その他の業務収支=信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+債権5勘定尻を除くその他業務収支
資料)各行『有価証券報告書』、全国銀行協会『全国銀行財務諸表分析』より筆者作成。

 業務利益の核となるのがコア業務粗利益(資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+債券5勘定尻を除くその他業務収支)である。図6-1〜図6-5では、資金運用収支とその他の業務収支の合計がコア業務粗利益にあたる。これらのグラフからは、1990年代半ばを境に、各行とも同粗利益の増加が総資産比で見れば頭打ちになっていることが理解される。グラフからも分かるように、各行のコア業務粗利益の概ね9割が資金運用収支から構成されており、同粗利益は先に見た総資金租利鞘に規定されることになる。手数料収入が大半を占めるその他の業務収支は、各行ともコア業務粗利益の1割に留まる。金利の自由化が進展した80年代末以降、フィー・ビジネスの強化が銀行経営の重要な課題となるといわれてきたが、現在もこのビジネスが四行の収益構造を大きく変えるには至っていない。従って、資金運用収支が頭打ちのもとでは、業務利益は、控除される営業経費によって左右されることになる。
 図7は、各行の経費率(営業経費/コア業務粗利益×100)の推移を示したものである。四行の経費率を比較した図7-5からは、山口銀行の比率が1994年度以降上昇傾向にありながらも四行中最低の水準を維持していること、西日本銀行の比率がこの間ほぼ一貫して低下していること、福岡シティ銀行の経費率が95年度以降急激に上昇し、97年には福岡銀行を抜いて四行中最も高くなっていることがわかる。総資金租利鞘が最も高く、資金運用収支の総資産比率も高い福岡シティ銀行が、業務利益レベルでは大きく順位を下げるのは、この高い経費率のためであると見られる。逆に、西日本銀行の業務利益率が上昇傾向にあり、四行中で最も高い水準にあるのは、同行の経費率がこの間一貫して低下しているためであると考えられる。

図7 経費率の推移
図7を見る

注)1.人件費=給与・手当+退職金+退職給与引当金繰入(退職給付費用)+福利厚生費
  2.設備管理費=減価償却費+土地建物機械賃貸料+営繕費
  3.その他=消耗品+給水光熱費+旅費+通信費+広告宣伝費+租税公価+その他
  資料)図1-1に同じ。

 各行の経費率を示した図7-1〜図7-4では、営業経費を人件費、設備管理費、その他に分類し、それぞれのコア業務租利益に対する比率を示している15。まず人件費(給与・手当+退職金+退職給与引当金繰入(2000年度は退職給付費用)+福利厚生費)について見ると、賃上げの抑制、人員の削減等のリストラが強力に進められた結果、この間各行とも比率が大きく低下している。コア業務粗利益に対する比率の低下は設備管理費(減価償却費+土地建物機械賃貸料+営繕費)でも見られるが、一方、その他(消耗品費+給水光熱費+旅費+通信費+広告宣伝費+租税公課+その他)の比率は大きく上昇している。とりわけ1996〜97年度には、各行ともこの部分の比率が急激に上昇していることがわかる。これは、同時期に預金保険料の料率が大幅に引き上げられことにより、預金保険料の支払いが急増したためである16。2002年4月のペイオフ解禁により特別保険料は廃止されるものの、近い将来保険料率の大幅な引き下げが実現するとは考えにくい17。従って、営業経費における「その他」部分の比率を大きく引き下げることは難しく、よほど大規模なリストラを行わない限り、各行とも経費率全体の大幅な低下、および業務利益率の上昇は見込めない状態にある。

(2)経常利益の状況
 次に、経常利益について検討しよう。経常利益は、先に見た業務利益に有価証券関係損益(債券5勘定尻+株式3勘定尻)とその他経常収支(その他経常利益−その他経常費用)を加えたものから18、貸倒償却費用(貸倒引当金繰入額+貸出金償却+不良債権処理関係引当金繰入額+不良債権売却損)を差し引いて算出される19
 図8-1〜図8-5は、各行の経常利益とその構成要素を総資産との比率で見たものである20。住宅金融専門会社(住専)向け債権を中心に不良債権処理が加速し、四行中三行が経常損失を記録した1995年度以降、総資産経常利益率(経常利益/総資産×100)が四行とも著しく低迷していることが注目される。四行中で唯一、経常損失を記録していない山口銀行でさえ、96年度以降の経常利益率は90年代前半の半分以下に落ち込んでいる。利益率が大きく落ち込む傾向は福岡銀行、西日本銀行にも見られるが、両行の場合、地方銀行全体ではプラスの利益を出した2000年度において、総資産比でそれぞれ1.99%、0.90%という大きな経常損失を記録している。福岡シティ銀行に至っては、95年度〜2000年度の6年間に4回の経常損失を記録している。しかも総資産比の経常損失が97年度には1.16%、98年度には1.13%、2000年度には2.29%となっており、四行、あるいは地方銀行全体と比較しても損失の規模が非常に大きい。
 こうした1995年度以降の経常利益率の著しい低下、あるいは経常損失の発生は、不良債権処理のために各行が毎年巨額の貸倒償却費用を計上していることによる。同費用の業務利益に対する比率を示した図8-6を見ると、不良債権処理元年と呼ばれる92年度から住専問題やジャパン・プレミアムが社会問題となった95年度、大手金融機関の破綻を契機とした金融危機の発生や、その対策として公的資金の注入や早期是正措置の導入が行われた97年度〜98年度、そして2000年度の3つの時期に、貸倒償却費用が大きく増加していることが分かる。

図8 経常利益とその構成要素
図8を見る

注)
1.総資産に対する比率。グラフ上の数値は総資産経常利益率を示す。
2.業務利益=業務粗利益−営業経費−債権5勘定尻
3.有価証券関係損益=債権5勘定尻+株式3勘定尻
4.貸倒償却費用等=貸倒引当金繰入額+貸出金償却+不良債権処理関係引当金繰入額+不良債権売却損
資料)図6に同じ。

 貸倒償却費用の業務利益比を個別に見ると、やはり福岡シティ銀行の比率の高さが目立つ。福岡銀行、西日本銀行、山口銀行の三行は、1999年度までは高くともピーク時の95年度と業務利益比で同等(70%〜130%)か、あるいはそれ以下の水準で償却費用を計上してきた。しかし、福岡シティ銀行の場合、その比率は97年度に232%、98年度には384%に達している。もっとも、98年度をピークに比率を減らしている山口銀行を除けば、福岡銀行も西日本銀行も後に巨額の貸倒償却費用を計上している。2000年度における両行の同費用は業務利益比でそれぞれ438%、217%に達し、95年度のピークを大きく上回っている。福岡銀行の場合、直近の2001年度中間決算では、この比率が22%にまで低下している。同中間決算期には、山口銀行でも貸倒償却費用が業務利益の54%にまで低下しており、これらの銀行では不良債権処理が一段落したものと見られる。一方で、西日本銀行や福岡シティ銀行では引き続き巨額の貸倒償却費用を計上しており、2001年度中間決算における同費用は業務利益比でそれぞれ598%、191%に達している21。ただ、同中間決算期における不良債権(金融再生法開示債権)に対する保全率を見ると、西日本銀行で88.09%、福岡シティ銀行で89.21%となっており、85.00%の福岡銀行83.19%の山口銀行と同等以上に達している。また、貸出金担保の内訳を示した図9を見ると、各行とも保証の部分を増やし地価下落による担保価値の目減りが危惧される不動産担保や、担保でカバーされない信用の部分を大きく圧縮している。従って現時点では、既存の不良債権の処理について四行とも概ね目処が立ったものと思われる。しかし、今後地域経済の低迷が一層深刻となれば、現状では保全率の低い要管理債権が高い保全率の求められる危険債権へと劣化したり、要管理債権以外の要注意先債権が要管理債権へと劣化したりすることにより、また担保価値の下落に伴う保全率の低下により、各行とも再び巨額の貸倒償却費用の計上を迫られる可能性は残る22

図9 貸出金担保の内訳
図9を見る

資料)図1-1に同じ

 不良債権処理を高水準で行いつつ、その一方で利益水準を引き上げるためには、本業の利益である業務利益の引き上げを図るか、有価証券関係利益で利益の底上げを図ることが必要になる。コアとなる資金運用収支が頭打ちの状況で業務利益を引き上げるためには、営業経費の削減が重要になる。しかし、先に見たように人件費や設備管理費を削減しても、「その他」の部分の増加がこれを相殺しており、通常のリストラでは経費全体の大幅な削減は望めない状況にある。一方有価証券関係損益についても、利益の底上げを図るには役不足である。図8-7は有価証券関係損益を業務利益との比率で示したものであるが、各行とも比率がマイナスとなり、有価証券関係損益が利益水準を引き下げている年も多い。確かに、不良債権処理が拡大した1995年度や97年度〜98年度には、経常利益の減少や経常損失の拡大を抑制すべく、各行とも業務利益比で高い有価証券関係利益を計上している。しかし、業務利益比で高水準の有価証券利益を連続して計上するケースはなく、高水準の有価証券利益を計上した翌年には、有価証券関係利益の大幅な減少または損失が発生している23。また、時価会計の導入により、いわゆる「益出し」を行うことは不可能になるため、今後、有価証券関係損益で利益の底上げを図ることは、より困難になると見られる。

4 自己資本の充実度
(1)自己資本の増減状況
 まず、自己資本の増減状況について検討しよう。本稿の冒頭でも述べたように経営の過程で発生した損失を究極的に吸収するのは自己資本であり、その増減は当該企業の事業の継続性に大きな影響を与える。
 図10-1〜図10-5は、自己資本を増資要因(資本金+資本準備金)、内部留保要因(利益準備金+剰余金)、評価要因(再評価差額金+評価差額金)に分け24、これら構成要素と自己資本全体の対前年比増減率を示したものである。また図10-1〜図10-4ではリスクアセットの対前年比増減率(連結ベース)と自己資本比率(同)もあわせて表示している。図10-1〜図10-5からは、自己資本の増加率は各行とも1990年代前半に一貫して低下し、90年代後半には資本金額そのものが大きく増減していることが理解される。90年代後半の増減が最も激しいのが福岡シティ銀行である。同行の場合、最終損失に伴う内部留保要因の大幅減を主因として95年度末に対前年比10.9%の減少を記録した後、96年度末には増資により14.0%の増加、97年度末には95年度以上の最終損失により27.7%の減少、98年度末には評価要因を主因として23.8%の増加というように、自己資本の大さな増減が続いている。ただ、内部留保要因だけを取り出せば、四行とも増加率の低下や最終損失に伴う内部留保要因そのものの減少を示す年がほとんどである。1990年代後半の自己資本増加率の大幅な上昇は増資要因と評価要因によるものであり、とりわけ評価要因によるところが大きい。98年度末について見れば、四行とも自己資本の増加の大半が評価要因によるものとなっている。

図10 自己資本の増減状況
図10を見る

注)1.グラフ上の数値は自己資本の対前年比増減率を示す。
  2.増資要因=資本金+資本準備金   3.内部留保要因=利益準備金+剰余金
  4.評価要因=再評価差額金+その他有価証券評価差額金    5.リスクアセット、自己資本比率は連結べ一ス。
   資料)図6に同じ。

 以上のような自己資本を構成する各要因の増減によって、四行の自己資本の構成は大さく変化している。図10-6は自己資本に占める内部留保(利益準備金+剰余金)の比率を示したものであるが、四行とも1994年度末を境にその比率を大きく落としている。福岡県の三行の場合、同比率は90年代前半には60%〜70%であったが、2000年度末には福岡銀行と西日本銀行で30%台後半に落ち込んでいる。また、90年代前半には内部留保の比率が自己資本の90%を超えていた山口銀行でも、2000年度末には76.2%に低下している。一般的に、内部留保が厚いほど財務上健全であるといわれており、また評価要因(再評価差額金+評価差額金)については、払込資本や期間損益に由来しない評価性の資本であることから、その増加による効果を疑問視する識者も多い25
従って、四行に共通した自己資本における内部留保の減少と評価要因の増加という現象は、資本の質の低下(=健全性の低下)を示していると考えられる。福岡シティ銀行の場合、自己資本に占める内部留保の割合が2000年度末にはマイナスとなっており、他の三行と比べて資本の質は大幅に悪化しているものと見られる。なお、同行は2002年1月に公的資金導入による資本の増強を行っており、こうした事態の是正を図っている。

(2)自己資本比率の状況
 次に、自己資本比率について検討しよう26。銀行の自己資本比率は自己資本(狭義の自己資本である基本的項目と、有価証券の含み益等からなる補完的項目の合計)をリスクアセット(運用資産ごとに定められたリスクウェイトを各運用金額に乗じたものの合計)で除したものをパーセンテージで示したものである。1998年4月に導入された早期是正措置では、自己資本比率が各種業務改善命令を発動する際の基準とされており、近年ではこの比率の変動に対して、市場関係者や預金者が敏感になる傾向が見られる。
 前掲の図10-1〜図10-4によると、四行とも1997年度末までは、海外拠点を置く銀行の最低基準である8%を十分満たしていたことがわかる。しかしそれ以降になると、山口銀行を除いた三行の比率は低下している。福岡銀行や西日本銀行では、99年度末の自己資本比率が10%を超えていたが(福岡銀行は99年度から国内基準に移行)、2000年度末にはそれぞれ8.96%、9.67%に低下している。98年度から国内基準に移行した福岡シティ銀行の場合、98年度末の自己資本比率は6.78%に低下し、2000年度末には更に5.42%まで低下している。一方で、山口銀行の自己資本比率は2000年度末で11.77%となっており、四行の中で最高の水準に達している。2001年度の中間決算について見ると、各行の自己資本比率は、福岡銀行で9.14%、西日本銀行で7.50%、福岡シティ銀行で4.37%、山口銀行で11.86%となっている。この時点で西日本銀行の自己資本比率は健全行の目安とされる8%を割り込み、福岡シティ銀行の比率は早期是正措置における健全行の下限である4%に大さく接近することになった。なお、この後両行は資本の増強に着手しており、今後両行の自己資本比率は大きく上昇するものと見られる27
 早期是正措置は自己資本比率を基準として発動されるため、銀行にとってこの自己資本比率の維持・上昇は重要な課題である。自己資本比率を引き上げるためには、分子となる自己資本を増やすか、分母となるリスクアセットを減らすかのいずれかの方法(あるいは両方の方法)が必要となる。自己資本への補完的項目の算入は基本的項目と同額までとされており、自己資本比率算定上の自己資本を増やすためには、基本的項目の増加を図ることが不可欠である。しかし先に見たように、図10-1〜図10-5における自己資本(単体ベースではあるが、1997年度末までは概ね基本的項目に相当する)の増加率は、90年代前半には一貫して低下し、90年代後半には資本金額そのものが大きく増減している。その上、90年代後半における自己資本の増加は補完的項目に含まれる評価要因によるところが大きく、図に示された自己資本増加率の上昇が基本的項目の増加をあらわしているとはいい難い。
 そうなると、自己資本比率の維持・上昇を図るためには、分母であるリスクアセットを減らすしかない。再び図10-1〜図10-4を見ると、1990年代後半には各行ともリスクアセットの増加率がマイナスを示す年が多く、しかも96年度末〜98年度末(福岡銀行では99年度末まで、また福岡シティ銀行では98年度末〜99年度末)にかけて、各行の自己資本比率の上昇とリスクアセットの減少幅の拡大が同時に発生している。このことは、各行が自己資本比率の維持・上昇のためにリスクアセットの削減という手法を積極的に活用したことを示唆している。リスクアセットは、 資産各々の運用額に信用リスクに応じて定められたリスクウェイトを乗じたものの合計として計算される。従って各行ともリスクアセットを削減するために、リスクウェイトの低い資産を増やし、高い資産を減らすという運用資産の組替えを行っている可能性が高い28

5 お わ り に

 地元四行にとって、不良債権の存在が銀行経営に与えるインパクトには凄まじいものがある。1990年代の半ば以降、四行は毎年巨額の不良債権処理費用を計上し続けている。その規模は少ない銀行で業務利益の30%〜100%に達し、多い銀行では業務利益の30%〜400%に達する。この巨額の不良債権処理費用は各行の収益を圧迫するほか、最終損失が発生した銀行では、準備金・積立金の取り崩しを通じて自己資本を大きく毀損させている。増資や負債性資本の取り入れによって資本の増強を図る銀行もあるが、利益の積み上げによる増強が思うように進まない中、その効果は相次ぐ資本の毀損によって減殺されている。健全性指標として自己資本比率が重視されるようになり、その維持・引き上げが各行の課題になっているが、資本の増加が進まない中で、その実現は容易ではない。
 不良債権をビルトインした状況で、株主が望む利益をあげるためには収益力の強化が不可欠であるが、それも思うように進んでいない。本業での収益を示す業務利益の9割は貸出金を中心とした資金運用収支から構成され、収益源の多様化は進んでいない。しかも資金運用収支そのものが近年頭打ちの状況にあり、業務利益の引き上げは控除される経費の削減によってのみ実現されるのが実状である。その経費についても、預金保険料という自己努力では削減が難しい部分の増加により、今後大きな削減は見込めない状態にある。また、利益の底上げが期待される有価証券関係損益についても、証券市場の動向に大きく左右されるため、安定した収益を望むことは難しい。
 そうなると、当面の収益力の強化は、やはりコアビジネスである貸出金の利益率向上によるしかない。各行が中小企業向け貸出しや個人向けローンに積極的に取り組んでいるのは、まさにこうした理由による。しかし、とりわけ中小企業向け貸出についていえば、積極的な取り組みが求められる一方で、新規の不良債権を発生させない慎重な融資姿勢も求められる。それゆえに、今日の経済状況の下では、銀行による貸出しが可能な融資先は限られることになり、優良な融資先をめぐって銀行間で激しい競争が行われることになる。融資競争の激化は貸出金利の低下を招き、結果として利益率の低下につながる。さりとて、新規の融資先を開拓するにしても、現状では信用リスクに見合った価格設定を行うことは難しく、融資が不良化すれば大きなダメージを負うことになる。結局できることといえば、保証等をつけて貸倒時の損失を少なくした上で、利益率の低い融資を実行することしかない。このように、中小企業向け貸出しや個人向けローンの強化という取り組みも大きな問題を抱えており、各行の収益力の強化には、なお時間を要すものと思われる。


注)
1 本稿で用いる分析手法は由里[2000]、由里[2001]とほぼ同一のものであり、両文献からは本稿を作成する上で大きな示唆を得た。なお、両文献はわが国の預金取扱金融機関の財務状況を、業態ベースで分析しており、本稿とあわせて参照されたい。

2 本稿では銀行という語を、預金取扱金融機関全般を指すものとして利用する。また金融機関という語を預金取扱金融機関を含めた金融業全体を指すものとして利用する。

3 木村[1999]によると、1997年の北九州市における預金(郵便貯金を含まない)の業態別シェアは、福岡銀行、西日本銀行、山口銀行が属する地方銀行が62.2%、福岡シティ銀行が属する第二地方銀行が19.8%となっており、これら2業態だけで82.0%のシェアを獲得している。同様に貸出金シェアは地方銀行が63.5%、第二地方銀行が22.6%となっており、合計で86.1%のシェアを占める。もちろん、これらの業態の中には地元四行以外の銀行も含まれるが、地域内の四行の店舗数から考えると、これらのシェアのかなりの部分が四行によるものと見られる。

4 数阪[1999]によると、北九州市が発行する縁故債の引受シンジケート団には、主要メンバーとして福岡県の三行が入っており、1998年5月現在の三行の引受シェアは福岡銀行で26.5%、西日本銀行で11.3%、福岡シティ銀行で11.3%となっている。

5 平均残高ベース。なお以下の分析では、資金運用勘定、資金調達勘定とも国内業務部門と国際業務部を合計したデータを用いる。1990年度については、国際業務部門のデータが公表されておらず、運用・調達勘定とも国内業務部門のみのデータを利用している。

6 実務的には、預金利回りに経費率を上乗せして預金原価とし、この預金原価を貸出金利回りから差し引いて預貸金利鞘とすることが多い。

7 預金利回りを算出する際の分母となる預金には、譲渡性預金を含まない。

8 各行『有価証券報告書』より算出。なお、1999年の中小企業基本法の改正により中小企業の定義が変更されたことに伴い、各行とも99年度本決算から、中小企業向け貸出比率の算出に用いる中小企業の定義を変更している。そのため、98年度までと99年度以降の中小企業向け貸出比率を比較することは出来ない。

9 2001年3月末時点において、個人向け貸出が国内の全貸出残高に占める比率は福岡銀行で20.6%、西日本銀行で17.0%、福岡シティ銀行で25.2%、山口銀行で14.5%となっている。

10 実務的には、資金調達利回りに経費率を上乗せして資金調達原価とし、この資金調達原価を資金運用利回りから差し引いて総資金利鞘とすることが多い。

11 市場仕切レート分析についての詳細については、由里[2000]46−49頁、263−265頁を参照。

12 由里[2000]263頁。

13 実務的には業務純益という指標が利用されている。業務純益は業務粗利益から一般貸倒引当金繰入額と経費(臨時処理分を除く)と債券費を控除したものである。一般貸倒引当金繰入額は有価証券報告書に記載される引当金明細書から計算できるが、経費については臨時処理分を除いたものが公表されていないため、公表された資料を用いて、時系列で業務純益を計算することは出来ない。なお本稿で用いる業務利益は、1.業務純益では控除されない債券5勘定尻が差し引かれている、2.業務純益では控除される一般貸倒引当金繰入額が引かれていない、3.臨時処理分を除く経費の代わりに営業経費を業務粗利益から控除している、
の3点で業務純益とは異なる。

14 各年度の総資産は(前期末資産残高-前期末支払承諾見返+当期末資産残高-当期末支払承諾見返)/2で算出している。なお、1999年度より貸倒引当金と投資損失引当金が資産の部から控除されており(従来は負債控除)、99年度および2000年度については、これら引当金も控除して総資産を計算している(引当金は控除項目なので、実質的には加算となる)。

15 全国銀行協会の『全国銀行財務諸表分析』では、営業経費を人件費、物件費、税金に分けて、それぞれの利益に対する比率を算出している。この区分では、人件費と税金以外はすべて物件費となるため、物件費の比率が大きくなり過ぎる傾向にある。そのため、本稿では『全国銀行財務諸表分析』での物件費を施設・設備の管理に要する設備管理費とその他の部分に分け、更にその他の部分に税金を加える形で分類の変更を行っている。

16 銀行が預金保険機構に支払う保険料の料率は、特別保険料を加えると1995年度以前の7倍に引き上げられた。

17 2002年2月5日付の日本経済新開によると、預金保険機構はペイオフが解禁される定期預金について保険料を一割弱ほど引き下げ、全額保護が続く普通預金等については保険料を二割強引き上げることを検討している。

18 事業税は1997年度決算までその他経常費用に計上され、経常利益算出の段階で控除されていたが、98年度決算以降は経常利益段階ではなく、当期純利益の算出段階で法人税、住民税とともに控除されるようになっている。本稿では、対象期間を同じ基準で分析するために、また各銀行の収益力を主眼に置いた分析を行うために、97年度以前も事業税を当期純利益の算出段階で控除している。従って97年度以前については、その他経常費用から事業税を差し引いており、事業税分だけその他経常費用は少なくなっている。

19 本稿での貸倒償却費用に含まれる不良債権処理関係引当金繰入額は、投資損失引当金繰入額、債権売却損失引当金繰入額、特定債務者支援引当金繰入額の合計を指す。また、不良債権売却損は、揖益計算書の注記事項である貸出債権売却による損失(共同債権買取機構への債権売却に伴う損失、累積債務国向け債権売却損を含む)、関係会社・取引先支援のための債権放棄による損失の合計を示す。

20 総資産の定義については、注9を参照。

21 各行の2001年度中間決算説明資料より算出。

22 金融再生法による不良債権には、1.破綻更生先及びこれらに準じる債権、2.危険債権、3.要管理債権の3つの分類がある。損失の可能性は1〜3の順で低くなるとされ、保全率も1〜3の順で下がる。なお、1〜3に該当しない債権は正常債権とされるが、正常債権の中でもグレーゾーンに位置する債権を要管理債権以外の要注意先債権として開示する銀行もある。

23 株価が急激に下落する状況の下で「益出し」を多用すれば、「益出し」によって簿価が上昇した株式の時価が大きく下落し、簿価と時価の差額を償却しなければならない危険性も高まる(低価法採用の場合)。

24 再評価差額金とは、「土地の再評価に関する法律」に基づき、国内に所在する事業用の土地を再評価する際に生じた評価差額金を処理する勘定科目のことをいう(銀行経理問題研究会編[2001]462頁)。また評価差額金とは、「金融商品に係る会計基準」に基づき、「その他有価証券」に区分した有価証券について、決算日ごとに時価評価することから生じる評価差額を処理する勘定科目をいう(同463頁)。

25 たとえば、由里[2001]の文末注5を参照。

26 以下で取り上げる各行の自己資本比率は連結ベースの数字である。

27西日本銀行では、2002年2月下旬に子会社による優先出資証券が発行され、自己資本比率算定上の資本の増強が行われる。また福岡シティ銀行では、2002年1月末に整理回収機構による劣後特約付無担保転換社債の引受が行われ、公的資金が注入された。今後、同転換社債は優先株式に転挨されることになっており、2002年度中間決算では、自己資本比率が8%台に回復することが確実視されている。

28 近年、各行が信用保証協会の保証付融資を増やしているひとつの理由として、同融資についてはリスクウェイトが低く(10%)、融資を拡大してもリスクアセットの拡大につながらない点があげられる。

参考文献)
数阪 孝志[1999]「地方債と地方銀行」『インベストメント』第52巻第2号。
木村 温人[1999]「北九州都市圏の金融構造とその動向-金融ビック・バンと地域金融の将来図」『北九州産業社会研究所紀要』第40号。
銀行経理問題研究会[2001]『銀行経理の実務(第5版)』、金融財政事情研究会。
由里 宗之[2000]『米国のコミュニティ銀行-銀行再編下で存続する小銀行』、ミネルヴァ書房。
由里 宗之[2001]「邦銀の不良債権問題と収益構造の課題『金融ジャーナル』第42巻第10号。