六角柱の結晶によるハロの分類

六角柱の結晶によるハロは、非常に珍しいものも含めると種類が多く、
何がなんだか判らなくなってしまいそうです。
そこで、自分なりに分類してみました。

120度の映幻日、映環天頂アーク、映環水平アークなどについては、
参考文献(特に)に日本語の名称が載っていませんが、
文献4を参考に他のハロの命名法に合わせました。

また月を光源とする幻月、幻月環や、人工光を光源とするライトピラー
などの呼び名がありますが、それらの呼び名は下の表に載せていません。

ハロの名前の下に、幾つかの特徴も記しておきます。
ここで、「z」と書かれているのは太陽高度です。
ハロが見える太陽高度が限定されているものについては、
ハロの名前の後の()内に、その高度を書いています。

また、六角柱の各面の呼び名を形で区別して、六角面と長方形面としています。
(通常の底面と側面という呼び名では、結晶の向きによってどの面のことか
わかりにくくなるため。)

ハロの出来るメカニズムについては、綾塚さんのページの、
天空博物館をご覧ください。

表が見にくい方は、文字のフォントを小さくしてご覧ください。

屈折によるハロ

この種類のハロは、プリズムの働きによって色がつきます。
結晶の向きの自由度が少ないものほど、結晶の向きが揃い、より鮮やかな色がつきます。
また、プリズムの頂角が大きいほど、色が良く分離され、幅広い帯になります。
 
結晶の形 結晶の向き プリズムの頂角
向き 自由度 60度 90度
六角柱
(鉛筆状、六角板状を含む)
ランダム 内暈
 22度ハロとも呼ばれる
 太陽を中心とする、半径22度の円
外暈
 46度ハロとも呼ばれる
 太陽を中心とする、半径46度の円
六角板状 六角面が水平 幻日
 太陽と同じ高度
 z=0度で内暈に重なる
環天頂アーク (z≦32度) 
 z=22度で外暈に接する 
環水平アーク (z≧58度) 
 z=68度で外暈に接する
鉛筆状 軸が水平 外接ハロ
 太陽高度が低いと、上部タンジェントアーク下部タンジェントアークに分かれる。
 内暈の上端と下端に接する
上部ラテラルアーク (z≦32度)
 z=22度で外暈に1カ所で接する
 z<22度では左右に分かれ、それぞれ外暈に接する
下部ラテラルアーク
 z=68度で外暈に1カ所で接する
 z<68度では左右に分かれ、それぞれ外暈に接する

軸が水平
2つの長方形面が水平
凸の上部パリーアーク
凹の上部パリーアーク
 z=49度で内暈と外接ハロに接する
凸の下部パリーアーク
 z=11度で内暈と外接ハロに接する
凹の下部パリーアーク
 z=71度で内暈と外接ハロに接する
パリー上部ラテラルアーク (z≦32度)
 上部ラテラルアークに接する
環天頂アーク (z≦32度)
 上部ラテラルアークに接する
 z=22度で外暈に接する
パリー下部ラテラルアーク
 下部ラテラルアークに接する
環水平アーク (z≧58度)
 下部ラテラルアークに接する
 z=68度で外暈に接する
 

反射によるハロ

この種類のハロは反射のみでできるために、色がつきません。
(この表には、光の入射面と反射面が平行でプリズムにならず、
結晶の内面での反射によってできるハロを含んでいます。)

また、下の表に含めませんが、ランダムな向きの結晶が地表付近あって、
個々の結晶による反射がキラキラと見えると、ダイヤモンドダストと呼ばれます。
 
結晶
の形
結晶の向き 反射面
六角面 長方形面 長方形面と六角面 2つの長方形面 2つの長方形面と六角面



六角面が水平 映日
 太陽と同じ方位
 地平線を挟んで太陽と反対
光柱
 太陽の上下
幻日環
 高度一定
 太陽を通る
映幻日環
 高度一定
 映日を通る
 地平線を挟んで幻日環と反対
120度の幻日
 太陽から120度の方位
 太陽と同じ高度
 幻日環に重なる
120度の映幻日
 太陽から120度の方位
 映日と同じ高度
 映幻日環に重なる
 地平線を挟んで120度の幻日と反対


軸が水平 幻日環
 高度一定
 太陽を通る
映日
 太陽と同じ方位
 地平線を挟んで太陽と反対
光柱
 太陽の上下
向日
 太陽と反対の方位
 太陽と同じ高度
向日光柱
 向日の上下
映日アーク
 映日で交差
トリッカー(の向日)アーク
 zが低いとき向日で交差
 映日アークに接する
軸が水平
2つの長方形面が水平
太陽アーク
 太陽で交差
対日(映向日)アーク
 zが低いとき対日(映向日)で交差
 太陽アークに接する
 

屈折と反射によるハロ

この種類のハロは屈折を含むので、色がつきます。
それぞれのハロは、最初の表の「屈折によるもの」に対応させることができます。
対応するハロに比べ反射をよけいに含むので、境界がぼけ、
色の鮮やかさが減少すると予想されます。

シミュレーションの結果を見ると、下の表に載せた他にも、最初の表(「屈折によるもの」)
のラテラルアークとパリーラテラルアークに対応するハロがあります。
しかし、適当な名称もなく非常に淡いものですので、表に載せていません。
(あえて名前を付けるとすれば、向ラテラルアーク、向パリーラテラルアークでしょうか?)

また、内暈と外暈に対応する、屈折と反射によるハロはありません。
 
結晶の形 結晶の向き 60度プリズムと六角面反射 90度プリズムと六角面反射
六角板状 六角面が水平 映幻日
 映日と同じ高度
 地平線を挟んで幻日と反対
 映日の幻日
映環天頂アーク (z≦32度) 
 地平線を挟んで環天頂アークと反対
映環水平アーク (z≧58度) 
 地平線を挟んで環水平アークと反対
鉛筆状 軸が水平 ウェゲナーアーク
 外接ハロ(タンジェントアーク)に接する
 向日で交差
 
軸が水平
2つの長方形面が水平
ヘースティングスアーク
 パリ−アークに接する
 向日で交差
 
 

その他のハロ

以上のハロの他にも、ローウィッツアーク46度の幻日など、上のものとは違った向きの
六角柱の結晶で説明される現象があります。
しかし、その向きの結晶で生じるはずの他のハロの観測例がない、などの問題があり、
はっきりとした結論は出ていないようです。



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