幻日記(2000年4月〜6月)

4月1日 7時10分から7時30分頃 場所:下関市山の田

右の幻日が見えました。

4月8日 17時から17時半頃 場所:下関市山の田

天頂側に1/3周程度の内暈が見えました。

4月9日 8時50分から15時頃 場所:下関市山の田、山口県菊川町

ふと見ると、窓越しに暈が見えていました。
さっそく自宅のベランダに出て見ると、1周つながった内暈でした。
上下端が少し明るいので、上端接弧(上部タンジェントアーク)と下端接弧が
重なっているのかもしれません。しかしはっきりしませんので、いつものように
単に内暈としておきます。

とうとう、先月末にデジカメを買ってしまいました。
それで写した、暈の第1号の写真です。(これで、今後は写真が増えるかな?)
ホワイトバランスをオートのままにしていたせいか、空が全体に灰色っぽく
写ってしまいました。(実際はもう少し青味がかっていたのですが...)
また、暈の色も、もう少し鮮やかだったのですがねぇ。
色が良くわかるように、望遠でも撮っておけば良かったと後悔しています。
内暈(上部)(26Kb)

内暈(下部)(31Kb)

暈はその後も見え続けていましたが、徐々に雲が厚くなると共に薄くなりました。
それでも、15時頃までは見え続け、その時には光冠も判りました。
しかし、16時頃に見上げた時には、どちらも判らなくなっていました。

4月14日 14時15分から15時頃 場所:下関市山の田

朝は快晴でしたが、徐々に雲が懸かってきたので注意していると、
期待どおりに午後になってから暈が見えてきました。
ところが、いつもと違って形が少し扁平です。
外接ハロのようです。太陽の上側は比較的よく見えるのですが、
下側はかすかで、左右はほとんど見えません。
上側の弧の左右が少し幅広くなっているように見えるので、
かすかに内暈が重なっているのだと思いますが、はっきりしません。

さっそく写真を撮ってみましたが、カメラの準備をしているうちに暈が
淡くなってしまい、内暈と区別がつきにくくなってしまいました。
外接ハロ(37Kb)

上端の部分だけを望遠で写して、あとでコントラストを少し上げて
みたのが次の写真です。(真ん中付近で、虹のような色の着いた帯が
左右に伸びているのが判るでしょうか?)
外接ハロ(上端部)(24Kb)

もう少し太陽高度が下がると形が変わって上端接弧になると
期待したのですが、16時頃に再び見上げた時には、雲が厚くなり
暈は見えなくなっていました。

4月18日 12時40分頃、16時30分頃 場所:北九州市八幡

昼に非常勤の講義へ向かう路上で、太陽の左下に60度ほどの弧を描いた内暈を見ました。
雲のある部分だけの暈ですが、わりとはっきりした内暈で、色もわかります。
雲が流れると見えなくなってしまいましたが、この空の様子なら、比較的頻繁に
見えていたことでしょう。

講義が終わって駅へ向かう途中、今度は天頂側に30度ほどの淡い内暈です。
今度も昼と同様に、歩いているうちに見えなくなりました。
(弧が短いので、外接ハロとの区別がつきませんが、いつものように
見える頻度の高い「内暈」としておきます。)

4月18日 22時30分頃 場所:東京

出張で東京に着いて、ホテルへ向かう路上で、月に光冠が懸かっているのに
気づきました。直径は月の3倍ほどで、赤が特にはっきりと見えます。
ホテルに入って、条件の良い撮影場所が見つからなかったため、
写さずに終わってしまいました。

綾塚さんの最近の「空の日」には、頻繁に光冠が登場していますが、
下関ではそれほど頻繁には見えません。
埼玉の金井さんもよく見ているようですが、他の地方(大阪、和歌山、広島)の
方からは、そのような話が出ません。
最近の関東には、光冠がよく見える、何か特別な理由でもあるのでしょうか?

4月22日 18時30分頃 場所:山口県上空

出張帰りの飛行機で窓側の席が取れましたが、残念ながら飛行機の進行方向に
太陽があるために、何も面白いものが見えません。

ところが、福岡に着く少し手前で、山陰を飛んでいた飛行機が少し南寄りに向きを変えると、
右の幻日が見えました。縦に伸びて色のはっきりした幻日です。
そこで、あわててカメラを準備しましたが、すぐに雲に隠されてしまいました。
やはり、こんな条件の時も、いつでも写真が撮れるように準備をしておくべきですね。

それでも待っていると、再び雲の隙間に太陽と幻日が顔を出し、写すことができました。
しかし、写真に撮れたときは、さっきよりも弧が短くなっていました。
幻日(46Kb)
飛行機の窓の傷が目立ちますが、写真中央(主翼の上)に写っています。
(クリックすると、写真が大きくなります。)
カメラの絞りを開いた写真も撮っておけば、傷が目立たなかったかもしれません。

幻日(拡大)(36Kb)
望遠で拡大した写真です。色が判るでしょうか?

4月25日 12時10分頃、12時30分頃 場所:北九州市小倉、八幡

再び非常勤の講義に向かう途中、小倉駅のホームで内暈に気づきました。
ホームの屋根に邪魔されて、下半分しか見えません。

八幡駅に着いて見上げてみると、1周つながった内暈です。
歩いているうちに淡くなって途切れ始め、大学に着く頃には見えなくなっていました。
地上から見る限りでは、似たような雲に覆われていたのですが...

また、飛行機雲ができて、その下の雲に影が落ちていました。
飛行機は、雲よりだいたい1割位高いところを飛んだようです。
この飛行機雲の影も、歩いているうちに薄くなって、見えなくなりました。

4月26日 13時50分頃 場所:下関市山の田

今日もまた、内暈が見えました。
低空の雲が早く流れる中で、その隙間から見える上空の雲で暈が懸かっています。
低空の雲の隙間が少なく、暈の1周全体を同時に見ることはできません。
しかし、少し眺めていた感じでは、1周しているようです。

4月28日 13時30分頃 場所:下関市山の田

太陽の左から右下へ、1/3周ほどの内暈です。

さて、関東で今年は光冠がよく見える理由について考えてみました。

高次の回折による環まで見えているので、かなり大きさの揃った粒子による
回折と思われます。きれいな青空を背景に見えていることとあわせると、
大きさの違う粒子は少ないだろうと思われます。

光の気象学」を参考にして、18日に私が見た光冠の大きさから、
粒子の大きさを見積もってみます。
光冠の半径を、0次の回折光による赤色光の円盤の半径として計算すると、
おおよそ20ミクロンほどになります。

一方、関東でよく見え、関西、中国では見えていない、ということも大きな特徴です。

となると、花粉(特にスギやヒノキの花粉)が原因なのではないでしょうか。
粒子の大きさも、見えている場所も、良く一致します。
(今年の花粉は、関東で多く、西日本で少ない。)

何か、確かめる方法はないでしょうか?
(花粉のデータはネットワークで見つかるが、光冠は...)

5月3日 12時20分から14時頃 場所:北九州市下曽根

今年も去年と同じ日に同じような状況で内暈を見ました。
朝は快晴でしたが、昼過ぎに外に出ると薄雲が空を覆っていて、
太陽の周りを内暈が一周していました。
13時頃に再び見たときには、より明るく、非常にはっきりしていました。
しかし、14時頃には雲が薄くなって暈は淡くなり、
そのうちに見えなくなってしまいました。

5月6日 8時半から13時頃 場所:下関市山の田

この頃の好天続きで、空が全体に白っぽく明るいために、
空を見にくいですが、今朝も快晴です。
天気予報によると天気は下り坂で、今日は暈が見えそうだと期待していると、
8時半頃に内暈がかすかに見えました。
天頂側から右にかけて1/4周程度です。
あまりはっきりしませんが、かすかに左右の幻日も見えています。
幻日は横に少し尾を引いた感じです。
そのうちに暈と右の幻日は少し明るくなりましたが、
10分ほどで両方とも再び見えなくなりました。

9時半頃に再び見ると、天頂側の1/3周ほどに、
はっきりした明るい内暈が見えました。
雲が流れて、明るくなったり、淡くなったりしています。
今度は幻日は見えていません。
内暈(25Kb)
暈の近くの明るい点はレンズによるゴーストです。
次の写真は上端を拡大したものです。
内暈(拡大)(22Kb)

12頃に再び見上げると、1周全体が見えましたが、
13時頃には一部が淡く見えるだけになり、
その後は見えませんでした。

5月9日 18時頃 場所:福岡市

西に沈みかけた太陽の周りに光冠が見えました。
光冠(その1)(40Kb)

光冠(その2)(54Kb)
ホワイトバランスが悪かったようで、目で見た感じとでは
少し色が違いますが、肉眼では眩しくて判らなかった微妙な
色の変化もわかります。

5月13日 15時頃 場所:福岡空港

出張帰りの飛行機で南向きの窓側の席が取れました。
羽田は雨で、上空で何か見えるかと期待しましたが、
太陽高度が高くてダメでした。

そのかわり、面白い形の雲を写すことができました。
雲(30Kb)
ここにだけ、どういう理由でこんな雲が出来ているのか不思議ですね。
「ケルビン・ヘルムホルツ不安定」かなあ? でも、どうしてここだけなんだろう?

福岡空港に着いて滑走路を移動中に、水たまりで反射した太陽が見えました。
ちょうど太陽の周りの雲が薄く、光冠が見えました。

 関連記事 6月5日

5月16日 11時20分頃 場所:下関市山の田

非常に淡い内暈が1周見えていました。
雲がわりと厚く、暈を見慣れた人でもよく注意してみないと
見落としそうなほど淡い暈でした。

5月18日 13時頃 場所:下関市山の田

朝から薄雲が懸かっていたので期待していると、
やはり昼になって内暈が見えました。
気づいたときは明るく1周見えていましたが、すぐに途切れて
淡くなりました。

5月22日 7時から9時頃 場所:下関市山の田

7時頃に、何か見えそうな空なので自宅のベランダに出てみると、
太陽の上に30度ほどの内暈が見えます。
10分ほど後に見ると、他の部分も見え始め、
7時半頃には上半分を少し越えるくらいに見えるようになりました。
最初に見えていた部分だけが少し明るく、他の部分は非常に淡いです。
上端接弧が重なっているのかもしれませんが、はっきりしません。

8時頃になると、暈は全体に明るくなりましたが、上端は逆に淡くなり、
9時頃になると、下半分もかすかに見え始め、なんとか1周見えるように
なりました。

5月24日 8時半頃、17時40分頃 場所:下関市

8時半頃に薄曇りの空を見上げると、太陽の天頂側に30度ほどの内暈。
(上端接弧かもしれません。)
その後も1日中、時折見えたり、消えたりを繰り返していたようです。

夕方17時40分頃には、太陽の右に幻日が見えていました。
ぼうっとした感じで輪郭のはっきりしないものでしたが、
少し色が分離していました。
幻日はまもなく見えなくなりましたが、少し後に再び天頂側に
短い30度ほどの内暈が見えました。

5月25日 15時20分頃 場所:下関市

太陽の左上から右下にかけて、1/3周程度の内暈が見えました。

5月29日

福島の小林さんからメールを頂きました。
この前の金曜日(26日)に、22度ハロ、幻日、タンジェントアークが見えたそうです。
小林さんのHP『albedo 0.39』
 http://homepage1.nifty.com/albedo-kobayashi/index.htm
には、この時のタンジェントアーク写真があります。

それから、以前に堺市の清水さんから、環水平アークや幻日の写真と共に
メールを頂いていたのを、まだこのHPに書いていませんでした。
送っていただいた写真は、4月25日の環水平アーク、5月1日の幻日、
5月2日の環水平アークです。

小林さん、清水さん、どうもありがとうございました。

5月30日 8時50分頃 場所:下関市

太陽の左上から右にかけて1/3周を少し越えるくらいの内暈です。

6月2日 9時40分頃 場所:東京

太陽の左に60度ほどの内暈です。

6月5日 8時20分頃、10時頃 場所:下関市

8時20分頃に、太陽の右上から左にかけて、1/3周ほどの内暈です。
周囲に比べてあまり明るくありませんが、色が付いているので
見慣れていれば気付きやすい暈でした。

10時頃に再び見ると、内暈の1周全体が見えるようになっていました。
上下は明るく、左右は淡い暈でした。

気象の専門家と知り合う機会を得て、先日、今年の5月13日の写真を見て頂いたところ、
「ケルビン・ヘルムホルツ不安定」によるものである、ということでした。

6月8日

昨日、「幻日記」の他のページにもカウンタをつけてみました。
(今までは、カウンタが表示される3つのページでのみカウントしていました。)
今日チェックしてみると、意外と他のページから見始めている人が多いんですね。
ひょっとして、カウンタの進みが少し速くなるかな?

6月13日 7時頃 場所:下関市

太陽の上に1/4周程度の非常に淡い内暈です。

6月16日 7時半頃 場所:下関市

太陽に光冠ができていました。太陽の周辺が青みがかって、その周囲が
黄色味がかっている程度です。サングラスなしでも何とかわかりますが、
サングラスをを通して見るとよりわかりやすくなります。
たまたま高積雲が風に流されて、太陽の手前に来たので見えた、といった感じでした。

さて、7日にカウンタを増設したおかげで、カウンタの数字の増え方が
急に速くなりました。増設前の2−3倍になった感じです。
トップページから辿らずに、直接に個々のページ(特に写真集のページなど)から
見ている人のほうが多いんですね。
これなら、もっと早くにカウンタを増設しておけば良かった。

6月19日 14時15分頃 場所:下関市

太陽の左側に1/3周程度の内暈です。

ついに(やっと)、幻日記のアクセス数が1000に達しました。
延べ1000人の皆さん、ありがとうございました。
カウンタ増設の効果も大きいですが、今日は特に急に増えています。
どなたかに私のHPを紹介して頂けたようです。ありがとうございました。
これからも、こんな調子で変わらずに続けて行くつもりですので、よろしく。

6月24日 15時50分頃 場所:下関市

梅雨の晴れ間で少し日が射していたので空を見てみると、
太陽の上に20度ほどの短い弧を描いて内暈が見えます。
淡い暈で、雲に薄く色が付いていなければ気付かない程度のものでした。

19日からアクセスが急増した原因は、19日にアサヒ・コムのニュースで
「環天頂アーク」が掲載されたことが原因だったようです。
ニュースを見た人がインターネットで検索して私のHPを訪れていたようです。
中には、それをきっかけに個人で運営しているニュースサイトの中で
私のHPを紹介して下さった方もありました。

綾塚さんによると、このニュースは18日の朝日新聞朝刊にも掲載されたそうで、
明朝のテレビ(TBS系の「サンデーモーニング」)でも放送されるそうです。
明日もアクセスが急増するかも。

このニュースは、朝日新聞の西部本社版には載りませんでした。
やはり、このようなニュースが載るのは地方版ですから、
他の地方で見えてもわかりませんね。
地方新聞のHPでこれらの現象の写真を見かけることもありますが、
全国では年間にどのくらい載るんでしょうね?

6月25日 13時30分頃 場所:下関市

衆議院選の投票後に娘と散歩していたら、内暈が見えてきました。
よく見えたときで、太陽のまわりを途切れながらもほぼ1周していました。
昨日の暈よりは見やすいですが、あまり明るい暈ではないので、
暈を見慣れていない人には判りにくそうなものでした。

昨日書いたように、今朝の「サンデーモーニング」で「逆さ虹」が紹介されました。
「写真集 雲 −とちぎの空風景−」の海老沢さんの写真と一緒に、
綾塚さんの写真も紹介されていました。
(海老沢さんは甲府に移られたようですね。)

6月29日

広島の田中さんからのメールによると、25日には広島でも
内暈などが見えたそうです。送っていただいた写真には、
内暈だけでなく、外接ハロや幻日環まで写っていました。
もう少し見続けていれば、下関でも見えていたかもしれないと思うと、
少し残念です。


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