地域共創センターの役割

地方公立大学が担うべき役割の一つに、地域貢献があります。下関市立大学では、「学識経験者」という立場から個々人の教員が下関市をはじめとする自治体の審議会や協議会に所属したり、講演を行ったりするだけでなく、大学の組織全体としても地域への貢献活動を行っています。その活動の中心的役割を果たしているのが、地域共創センタ-です。
地域共創センタ-は、「共創による大学づくり」のコンセプトのもとに、地域のシンクタンクとして機能すべく平成20年4月に設置されました。地域共創センタ-の活動目的は、教職員と学生が下関を中心とする地域の住民と協働する機会を創り出し、地域の伸張発展に貢献することにあります。この「伸張発展」の内容は、単に景気指標などに表わされるものではなく、言わば地域住民が「総合的に」満足を得られるものを指していると言えます。
地域貢献を大学が進める上では、大学が主体的に地域に向かって役割を「求める」ことが重要であると考えています。かねてから行政や一般市民の方々と講演などを通じてお話を伺う機会がありましたが、多くの方々は大学に何かを「求める」ことについてのイメージがわきにくいようです。研究・教育・資料収集という3つの機能を同時に所有しているのは、大学しかありません。地域との「共創」という設置時の理念に沿えば、この3つの機能の具体的な活用方法を、地域の皆さんたちにまずは提案することから始めたいと考えています。地域の気がつかない「気づき」を、この3つの機能を効果的に活用しながら、本センターは地域貢献を果たしています
地域共創センターの3つの機能
- 地域教育活動部門・・・地域の住民を対象とした教育プログラムの企画や実施
- 地域調査研究部門 ・・・地域の経済、歴史及び文化に関する調査及び研究の実施
- アーカイブ部門・・・地域の史資料や情報を集め広く市民に提供
地域共創センターの沿革
本学は、開学当初より大学を地元に「ひらく」ことを追求してきました。地域の産業の基礎的・実際的調査研究や講演会活動、公開講座の提供にリカレント教育、そして自治体などの政策形成への寄与など、を手がけてきた50年の歴史があります。
この度、50年の歴史を持つ産業文化研究所とエクステンション機能を併せ持つ「下関市立大学附属地域共創センター」を新たに設立しました。 「下関市立大学附属地域共創センター」は、大学人(法人職員と学生)と地域の方々との協働で地域資産を掘り起こし、地域課題を見出して、その課題解決に取り組むことを目指します。これが「共創」と新組織を名付けた所以です。「地域に根ざした大学」を標榜してきた本学ならではの組織改革であると自負しています。
○私たちは、地域課題を析出し解決のための取り組みを探る調査研究プロジェクトの提案を行い、担い手を募っていきます。
○私たちは、市民対象の生涯学習プログラムの企画・開発を行い、担い手を募っていきます。
- 大学を地域にひらく、50年の歩み186KB