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学長室より

2020年度下関市立大学春学期卒業証書・学位記授与式告辞(2020年9月30日)

 2020年度春学期の卒業証書・学位記授与式において、下関市立大学は、経済学科7名、国際商学科10名、公共マネジメント学科1名、計18名の卒業生を社会に送り出すことができることとなりました。卒業生の皆さんには、これまでの努力と研鑚が実り、見事、学士の学位を得て本学を巣立っていかれることに対し、心よりおめでとうとお祝いを申し上げます。卒業生の皆さんは、10代から20代初めという、人間が知的、精神的にもっとも成長する時期をこの下関市立大学で過ごし、多くの付加価値を身につけ、この学舎を巣立っていくことになります。この晴れの日にあたり、皆さんの成長と門出を祝うとともに、これからの人生をしっかりと地に足をつけて着実に歩んでいって欲しいと願う次第です。

 学生の皆さんをこの学舎に送り出し、これまでの学業を見守ってくださったご家族にも心よりお祝いを申し上げます。大学というより広い学問の世界に入り、さまざまな経験を経ながらこうして学位記を獲得し、新しい世界に飛び込んでいくことになりますので、お喜びもひとしおのことと思います。これからは、一人の社会人としての活躍を温かく見守っていただければと願う次第です。

 本日手にした学位記を前に、皆さんには思い起こして欲しいことがあります。それは、これまでの学業を支えてくださった多くの方々への感謝の念であります。
皆さんのご家族は、本学での学びを達成するための学生生活を物心両面において支えてくださいました。大学の門に送り出すにあたり、さまざまな不安があったかと思いますが、皆さんの成長を願いまた楽しみにしながら、支え続けてくださったのだと思います。

 学問の世界において皆さんを導き、またさまざまな方法や知識を授けてくださった教員の方々へのご恩も忘れてはなりません。もっとも感受性の豊かなこの時期における優れた師との出会いは皆さんの人生において貴重な財産になることと思います。

 さらに、学生生活をともに過ごした友人との出会いも人生においてかけがえのない宝です。受験勉強を終えて比較的ゆったりした時間の中でお互いに学問や人生を語り合ったことは、忘れられない思い出となることでしょう。同じ時代を共有した仲間を持つことは素晴らしいことです。今後もこの関係を大切にして欲しいと願います。

 学業を進めるうえで、教務、図書館、国際交流、キャリア、庶務をはじめ、事務スタッフの方々には大変お世話になったことと思います。事務の方々のサポートがなければ、皆さんの学業ははるかに困難なものであったと思われます。

 学外で過ごした時間においては、地域社会の皆さまにお世話になることも多かったと思います。さまざまな知恵を獲得し、学内では得られない経験をするうえで貴重な機会を持つことができたと思います。その意味で、皆さんは地域社会にも育てていただいたのです。
これらの方々への感謝の気持ちをしっかりと噛み締めることが、新たな出発のための第一歩だと思います。

 2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るった年として人類の歴史に刻まれることになります。世界の陽性者数は3200万人、日本においては8万人を超えるレベルに達し、感染症は未だに終息する段階にはありません。そのなかで、2019年度の卒業証書・学位記授与式、2020年度の入学式に続いて、春学期の卒業証書・学位記授与式を中止せざるを得ませんでした。感染拡大という厳しい状況のなかで可能な限りリスクを避けるためには、式典の中止という苦渋の決断をせざるを得ませんでした。卒業生をはじめ関係の方々には残念な思いをさせることになってしまったことをお詫びするとともに、やむを得ざる決断であったことについてご理解を賜りますようにお願いいたします。

 新型コロナウイルス感染症という脅威はとつぜん人類を襲いましたが、人間の生活に大きな影響を与え、社会のあり方を変容させつつあります。医療の現場や基礎研究、政府・自治体の政策や種々の経済活動、個人の生活は大きな影響を受けています。しかし、危機に対処するための動きは一時的なものではなく今後も継続的・構造的に進んでいくものと思われます。大切なことは危機に機敏に対応するとともに、感染症による恐怖や脅威をただ受動的に受け止めるだけでなく、新たな状況に対応するための制度設計や戦略、政策、社会のあり方、個人の生活にどう活かしていくかということです。たとえば、教育の現場においては、遠隔授業は友人同士のつながりができない、深い議論が難しいなど、不満もありますが、何度でも復習ができる、距離の限界を超えるなど前向きに捉えるべき面もあります。現在加速されつつあるデジタル革命の推進などに見られるように、コロナウイルス感染症の脅威をきっかけに人間生活や教育の質をさらに高めていくことが大切です。危機にうまく対処するとともに、そこから次の新しい手立てを見出し、活用し、発展させていくことだと思います。それが、危機を乗り切る力になっていくものと思います。新型コロナウイルス感染症は人類に大きな恐怖を与えていますが、ここに述べたような意味で危機を乗り切る力を個々人並びに社会全体が身につけていくことの大切さを教訓として残しました。この記憶されるべき年に卒業する皆さんにもこのようなマインドを持って新しい生活に踏み出していただきたいと願う次第です。

 最後に、卒業生の皆さんが社会のそれぞれの場において、これまで得た知識と経験を活かして大いに健闘されることを期待しまた祈念しながら、2020年度下関市立大学春学期卒業証書・学位記授与式の告辞といたします。

2020年9月30日        
下関市立大学 学長 川波洋一