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学長室より

2021年度下関市立大学卒業証書・学位記授与式告辞(2022年3月25日)

 本日ここに、下関市長前田晋太郎様のご臨席を仰ぎ、第57回の卒業証書・学位記授与式を挙行できますこと、これに優る喜びはありません。本日は、学士課程では、経済学科204名、国際商学科223名、公共マネジメント学科63名、大学院修士課程では3名の合計493名に対し、学士、修士の学位を授与することとなりました。卒業生・修了生の皆さんは、今学位を得て新たなステージに向かって進んでいくことを晴れがましくまた希望に溢れる思いで受け止めておられることと思います。その思いに対し、まずおめでとうと心からお祝いを申し上げます。これまで、卒業生・修了生の勉学を物心両面において支えてこられたご家族をはじめ、関係者の皆さまに対しましても心からお祝いを申し上げます。卒業生・修了生の皆さんには、学業を支えてくださったご家族、教職員、地域の皆さまのご援助に改めて思いを馳せ、感謝の気持ちを持っていただきたいと思う次第です。

 第57回卒業証書・学位記授与式につきましては、完全終息の気配を見せない新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、規模・時間ともに大幅に縮小して挙行せざるを得なかったこと、誠に申し訳なく思う次第です。しかし、皆さんが、学位記を手にすることの喜びと将来に馳せる希望の思いの量をいささかも減じるものではなく、皆さんを祝福する気持ちも変わるものではありません。

 これから新しいステージに進んでいくに当たり、皆さんに考えていただきたいことがあります。それは危機のなかで生きていくということの意味です。新型コロナウイルス感染症とともに学ばざるを得なかったこの2年数ヶ月の学業生活の苦労は大変大きいものでした。皆さんのこの厳しい状況のなかでの頑張りは称賛に値します。それとともに、いつ感染するかというリスクも感じながら、勉学に励んだ経験は貴重です。今後、ICTの発達をはじめとする技術革新や世界的な紛争の激化とも輻輳しながら人間生活はさらに急速かつ広範に変化していくことと思います。そのなかで一つの共通した傾向は、利便性や効率性が高まるとともに危機の度合いも高まるということです。皆さんは、これから常にさまざまなリスクと隣り合わせで活動をしていかなければならないということ、そしてその時それを乗り切るために何らかの判断をし、事態を切り開いていかなければなりません。その時に必要となる知恵と方法は、学生時代に学業を通じて獲得した知識とコロナというリスクを克服した経験から得られるはずです。このことを是非胸に刻んでおいていただきたいと思います。

 最後になりましたが、皆さんは1956年の創立以来66年の歴史を刻み、20,000人を超える卒業生を送り出した伝統ある下関市立大学の卒業生・修了生の一員となります。その誇りを胸に激動の時代をたくましく生き抜いて行ってほしいと願いながら、第57回下関市立大学卒業証書・学位記授与式の告辞といたします。

2022年3月25日        
下関市立大学 学長 川波洋一