今まで(1998年10月まで)に見た現象

氷の結晶による現象

暈(かさ)

暈は太陽を中心にできる光の輪で、大きさによって内暈と外暈があります。
内暈(うちがさ)は何度も見ていますが、記録を残していないので頻度はよくわかりません。
春に見ることは多いようですが、他の季節でも見かけます。
天気が下り坂で巻層雲(薄雲)がかかっている時に見えることが多く、
内暈(うちがさ)は虹を見るよりもはるかに頻度が多いと思います。
あまり鮮やかではありませんが、色も付きます。
気づいてみると、内暈に外接ハロが接していることも多いようです。
暈は月にもかかり、日暈(ひがさ)、月暈(つきがさ)と呼んで区別します。
もっと大きな外暈(そとがさ)は、はっきりと意識して見た記憶がありません。
子供の頃に月に非常に大きな暈がかかっているのを見た記憶があるのですが、
それが外暈だったのか内暈なのか自信がありません。

幻日、映日、映幻日

幻日は太陽の左右に、映日は太陽の下に、映幻日は映日の左右に明るい光が見える現象です。
帰省先の北海道から飛行機で帰る途中、機上からこれらの現象を一度に見ました。
台風が来ている時で、福岡に着陸できるかどうかも判らないという状況でした。
(たぶん、北陸の上空付近を飛んでいるときだったと思う。)
カメラを持っていなかったことと、飛行機の窓が小さすぎて全景を見られなかったのが残念でした。
虹よりきれいに鮮やかな色のついた幻日を見たのは、このときの他には一度だけで、
そのときも台風が来る直前でした。
ほかにも数回、幻日を見ていますが無色(白色)だったり、色がかすかに判る程度でした。

幻日環

私がこれらの現象に強く関心を持つようになったきっかけは、大学の3年か4年の時に見た幻日環です。
太陽と同じ高度で光の帯が空を一周しているのには驚きました。
その少し前(だと思う)に「日経サイエンス」にこれらの現象に関する記事が載っていたので、
現象の理解とともに深い感動を味わいました。
「空の色と光の図鑑」によると、中国の故事から「白虹日を貫く」として不吉の前兆
と恐れられた現象が幻日環と思われるそうで、あの「2・26事件」の前日にも東京で
見られているそうです。 

環天頂アーク(さかさ虹)

これは、天頂を取り巻くように、天頂の太陽側にできる虹状の光の帯です。
他の人の目撃談は3回も聞いているのに、自分ではしばらく見ることができずにいました。
去年(1997年)やっと見ることができましたが、淡く色もかすかで、すぐに消えてしまいました。
 

水滴による現象

虹と過剰虹

虹にはよく見える主虹だけでなく、副虹や過剰虹(干渉虹)という現象があります。
副虹は主虹よりも大きく、少し淡くて、色の順序は逆です。
過剰虹は主虹のすぐ内側に、同じ色の順序でできます。
(ただし、すべての色が見えるわけではなく、緑から紫の繰り返しが多いようです。)
明るいきれいな虹が出ているときには、これらも同時に出ていることが多いようです。

反射光による虹と水平虹

小学6年生の夏か秋の午後に学校のグランドで、虹が近くの丘に映っているのを見ました。
しかも、空に見える2つの虹(主虹と副虹)とは別に、2本の虹が丘に映っていました。
その時には虹が丘の水たまりに映っているのが見えていると思って納得して
いたのですが,今考えるとそうではないようです。
今では記憶が曖昧ですが、4本とも上に凸だったと記憶しています。
(もし水面に映っていたのなら、下に凸になるはずです。)

もっとも納得できる解釈は、
近くの田んぼ(またはグランドの水たまり)によって太陽光が反射し、
それを光源とする2本の虹(主虹と副虹)が余分に見えていた、という解釈です。
すると、空に懸かっていたのが反射光による虹で、丘に映っているように見えたのが
通常の虹だったということになります。

また、地面の草むらなどの上の水滴によって虹ができると、水平な地面に沿って
見えるために「水平虹」と呼ばれます。
近くの丘に映っているように見えた虹は、通常の虹だけではなく、葉の上の水滴による虹も
重なっていたのかもしれません。
(もっとも、この場合には水平虹とは呼びにくいですね。)

月虹

光源が太陽でなく月の場合にも虹ができます。
しかし月が明るい(満月に近い)ときには、虹が高く懸かる(月の高度が低い)時刻は
薄明で空が明るく、淡い月虹はなかなか良い条件で見ることができません。
一度だけ満月を過ぎた月で、夕暮れの薄明が終わった少し後に見たことがあります。
色もなんとなく(外側が赤っぽいと)わかりました。

回転サーチライトによる虹

雨の日の夜にパチンコ店の回転サーチライトを見ると、少し明るくなった「こぶ」のような
光の固まりが移動するのに気づきました。
原因が虹と同じだと気づいてみると、副虹に対応する「こぶ」もありました。
いつか写真に残したいと思いながら、いままで果たせずにいます。
 

小さな粒子(水滴や氷の結晶も含む)による現象

光環(光冠)

光環もよく見る現象で、太陽の近くに同心円状に色の付いた光の輪ができます。
条件がよいと、同心円は何重にも取り巻くことがあります。
しかし、たいていは太陽が明るすぎて直視できないため、気づかないことが多いようです。
窓ガラスや水面に反射させて光量を落としてみると、見えていることがあります。
光環は月の周りにもできるので、満月に近い頃の明るい月の周囲にできるときが
一番見やすいようです。
「空の名前」には、高層雲など(朧雲など)が太陽や月に掛かってできると書かれています。
私には、高層雲だけでなく高積雲(羊雲など)の時にもよく見かけるという印象があります。

ブロッケンの妖怪(光輪、影を取り巻く光環)

飛行機の上から、自分の(飛行機の)影を取り巻く光環を見たことが何度かあります。
一番印象深いのは3重(もっと見えていたかも)に取り巻いていたときで、
一緒に乗っていた後輩のカメラを借りて写しました。
 

その他

飛行機雲の影

飛行機雲ができているときには、影を取り巻く光環の中心から、飛行機の進行方向の反対側に
影が伸びているのが見えたりします。
機上で最初にこの影に気づいたときには原因が分からず不思議でしたが、
光環を見つけたことで原因が分かりました。
また、飛行機雲の影が、それより低い雲に落ちているのを、地上から見たこともあります。


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