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日本の上級実践看護師における「働きがい」と職場支援の関係を解明 – 本学 研究機構 窪田和巳 教授が筆頭著者として国際誌に論文掲載

本学 研究機構の窪田和巳教授が筆頭著者として執筆した研究成果が、インパクトファクター(IF)3.7の査読付き国際誌 International Nursing Review(Wiley、国際看護師協会[ICN]公式ジャーナル)に掲載されました。本研究は、日本の上級実践看護師(Advanced Practice Nurses: APNs)の「ワーク・エンゲイジメント(働きがい)」と、上司・組織からの支援との関係を検討したものです。掲載論文は以下のURLからご覧いただけます。

論文タイトル:Work Engagement Among Advanced Practice Nurses (APNs) in Japan: The Role of Supervisory and Organizational Support
(日本の上級実践看護師(APN)におけるワーク・エンゲイジメント:上司および組織支援の役割)

DOI: https://doi.org/10.1111/inr.70130

研究の背景:
高度な専門性をもつ上級実践看護師(APNs)は、急性期医療、在宅医療、地域包括ケアなど、多様な場で重要な役割を担っています。その一方で、複雑で負担の大きい業務を持続的かつ質高く行うためには、個人の能力だけでなく、「働きがい(ワーク・エンゲイジメント)」を支える職場環境が不可欠です。なかでも、上司による支援や、組織全体としての支援体制がAPNのエンゲイジメントにどう関係しているかについて、日本のAPNを対象とした実証研究は限られていました。

研究の目的と方法:
本研究では、日本国内で活動する上級実践看護師を対象に、上司および組織からの支援(オーガニゼーショナル)が、APNのワーク・エンゲイジメント(仕事への活力・熱意・没頭)とどのように関連しているかを明らかにすることを目的としました。質問紙調査による量的研究デザインを用い、APNの属性や職務特性、勤務環境、上司・組織支援の認識、エンゲイジメント指標などを収集し、統計学的に解析しました。

主な成果(要点):
– 上司からの支援が高いと認識しているAPNほど、仕事への活力や熱意が有意に高いことが示されました。
– 組織全体としてAPNを支援する風土・制度が整っていると感じているAPNでは、仕事への没頭などエンゲイジメントの複数側面が良好である傾向が認められました。
– 上司支援と組織支援はいずれも独立してワーク・エンゲイジメントに寄与しており、職場マネジメントと組織政策の両面からのアプローチが重要であることが示唆されました。

窪田教授のコメント:
「上級実践看護師の専門性を十分に生かすには、個人の努力だけでなく、『支える上司』と『支える組織』が不可欠です。本研究の結果を、APNのキャリア支援や人材定着、そしてチーム医療の質向上につながる具体的な職場づくりに生かされる知見になればと考えてます。」

論文情報:
– 掲載誌:International Nursing Review(Wiley, International Council of Nurses 公式ジャーナル)
– インパクトファクター(IF):3.7
– DOI:https://doi.org/10.1111/inr.70130