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#教育 #研究 #社会貢献認知機能が低下した高齢者へのVR活用、効果と安全な実装条件を整理(BMC Geriatrics(IF=3.8))― 本学 研究機構 窪田和巳 教授の筆頭論文が国際誌に掲載 ―
本学 研究機構の窪田和巳教授が、軽度認知障害(MCI)、認知症、認知的フレイルを有する高齢者を対象とした没入型バーチャルリアリティ(VR)介入に関する最新研究(2019~2025年)を体系的に整理した論文を発表し、国際学術誌 BMC Geriatrics に掲載されました。
高齢化の進展に伴い、認知機能の低下に対する非薬物的支援の重要性が高まる一方、VRを用いた介入研究は小規模試験が多く、成果が分散していることが課題でした。本論文は、PRISMA 2020に準拠して文献を検索・選定し、没入型/半没入型VRを用いた介入の効果、リスク、導入時の留意点を記述的統合(質的統合)として整理しています。
研究の主なポイント
- 認知面:MCIや認知的フレイルの対象者で、実行機能や処理速度の改善が比較的一貫して報告
- 身体機能:Timed Up & Go(TUG)やBerg Balance Scale等で、バランス・移動機能の改善を示す報告が複数
- 情緒・行動面:施設入所者等を対象に、回想的VRやグループVRが不安や無気力の軽減につながる可能性
- 安全性・実装:有害事象は概して軽微で頻度も低く、見守り・監督下での提供で参加継続(アドヒアランス)が高い傾向
- 有望とされる実施条件:週2~3回、8~12週間、総介入時間15時間以上など、一定の“曝露量”と段階的な課題調整、監督体制が鍵
一方で、研究間のばらつき(対象、VR内容、評価指標等)が大きく、メタ解析が困難であったこと、無作為化比較試験でもバイアスの懸念が残る研究があることから、今後は多施設の大規模試験や、実装(運用)・経済評価を組み込んだ研究が求められると結論づけています。
窪田教授のコメント
「VRは“楽しい体験”にとどまらず、認知・運動・情緒面の支援につながる可能性があります。本論文では、近年の研究を整理し、効果が示されやすい領域や、安全に提供するための条件をまとめました。今後、現場で継続可能な形での実装と、その有効性を検証する研究が進むことを期待しています。」
論文情報(掲載欄案)
- 掲載誌:BMC Geriatrics
- 論文名:Immersive virtual reality for older adults with mild cognitive impairment, dementia, or cognitive frailty: a systematic review and narrative synthesis (2019–2025)
- 著者:Kazumi Kubota ほか
- 公開日:2026年1月13日
- DOI:https://doi.org/10.1186/s12877-025-06957-8

