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シミュレーション教育に関する新たな知見 – 研究機構 窪田和巳 教授が島根大学医学部との共同研究成果を国際誌Nursing Reportsに発表

本学 研究機構の窪田和巳教授は、島根大学医学部との共同研究において、看護教育におけるシミュレーション学習に関する新たな知見を発表しました。バイタルサイン測定における「次回の観察間隔」の決定プロセスに着目した本研究成果は、MDPI社が発行する国際誌『Nursing Reports』の特集号「Innovations in Simulation-Based Education in Healthcare(ヘルスケアにおけるシミュレーション教育の革新)」に掲載されました。

論文タイトル:

Setting the Next Vital Sign Observation Interval as a Learning Objective in Simulation-Based Nursing Education: A Prospective Exploratory Observational Study

(シミュレーション看護教育における学習目標としての「次回のバイタルサイン観察間隔」の設定:前向き探索的観察研究)

研究の背景:

看護師にとって、患者の血圧や脈拍などのバイタルサインを測定する手技だけでなく、その結果に基づいて「患者の状態がどう変化するか予測し、次はいつ観察すべきか(観察間隔)」を決定する臨床判断能力が極めて重要です。しかし、従来の教育では手技の正確さが重視されがちで、この「時間管理」や「次回の計画」に関する判断プロセスをどう教育するかについては、十分な検討がなされていませんでした。

研究の目的と方法:

本研究は、島根大学医学部との連携のもと実施されました。看護学生を対象としたシミュレーション教育において、「次回の観察間隔の決定」を明確な学習目標として設定し、学生がシミュレーションを通じてどのように患者の状態をアセスメントし、適切な観察タイミングを判断できるようになるか、そのプロセスと教育効果を前向き探索的観察研究として検証しました。

主な成果(要点):

*   シミュレーション教育において「次回の観察間隔」を意図的に学習目標に組み込むことが、学生の臨床判断能力の育成に寄与する可能性が示されました。

*   単に異常を発見するだけでなく、その後の時間経過を予測するトレーニングの重要性が明らかになりました。

*   これからの看護基礎教育において、より実践的な臨床判断力を養うための具体的な教育手法として提案できるものです。

窪田教授のコメント:

「臨床現場では、複数の患者を受け持ちながら、優先順位と観察タイミングを常に判断し続ける能力が求められます。今回の共同研究で得られた知見を基に、学生が現場に出た際に直面するリアリティショックを軽減し、安全で質の高い看護を提供できる教育プログラムの開発につなげていきたいと考えています。」

論文情報:

*   掲載誌:Nursing Reports (MDPI)

*   特集号:Innovations in Simulation-Based Education in Healthcare

*   巻号:Vol. 15, Issue 12, 416

*   URL:[https://www.mdpi.com/2039-4403/15/12/416](https://www.mdpi.com/2039-4403/15/12/416)