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#研究  #社会貢献 

教養教職機構 小池エバン照男准教授の論文が国際学術誌「Asia-Pacific Journal: Japan Focus」に掲載されました

本学教養教職機構の小池エバン照男准教授の論文 “Educational Attainment, Cultural Capital, and Class Stratification in Japanese Women’s Experiences of Sexual Violence” が、国際学術誌 Asia-Pacific Journal: Japan Focus(Cambridge University Press発行)に掲載されました。本論文は、同誌の特集「Sexual Violence in Japan: Involuntary Consent, Justice and Everyday Life」に収録されています。この特集は、日米の研究者による国際共同研究の成果をまとめたものです。 

同誌は2002年に創刊されたオープンアクセス誌で、アジア太平洋地域の政治・歴史・経済・社会・文化を幅広く扱っています。Scopus および Web of Science に収録されており、世界各地の読者が毎月10万回以上閲覧しています。 

研究の背景 

近年、芸能・メディア業界における性加害問題が社会的な注目を集めています。また、2023年の刑法改正により、強制性交等罪が「不同意性交等罪」に改められたことも、性暴力や同意をめぐる議論が広がるきっかけとなりました。一方で、被害者を孤立させる「沈黙の壁」を乗り越えるためのリソースや支えは、すべての人に等しくあるわけではありません。経済力や人間関係、知識をどれだけ持っているかによって、被害後に取りうる選択肢は大きく異なると考えられます。しかし、日本ではこうした被害者間の差異に注目した研究は多くありませんでした。 

研究の概要 

本研究は、米国社会科学評議会(SSRC)と国際交流基金ニューヨーク日本文化センターによる Abe Fellows Network Collaborative Grant の助成を受けた日米共同研究プロジェクト “Consent in Sexual Violence: Cross-Cultural Perspectives in Japan and the US” の成果の一部です。同プロジェクトの一環として、NHKが2022年に実施した性暴力に関する大規模オンライン調査(回答者38,000人以上)のデータを分析しました。 

本論文は、分析にあたり社会学者ブルデューの「文化資本」の概念を手がかりとし、学歴を社会階層の指標として用いました。具体的には、回答者のうちシスジェンダー女性に焦点を当て、大学院修了者と中学校卒業者の回答を、統計的分析(カイ二乗検定)と自由記述の質的分析の両面から比較しています。 

研究のポイント 

本論文では、次のような問いを検討しています。 

なお、本論文はどちらの集団の苦しみが大きいかを比較するものではありません。社会的な不平等が、女性が性暴力に遭う状況そのものや、被害の「その後」をどのように形づくるのかを明らかにしようとするものです。 

研究の意義と今後の展望 

本研究は、性暴力被害者を一様な集団として捉えるのではなく、被害者が置かれた社会的・経済的条件の違いに目を向けることの重要性を示しています。こうした視点は、被害者支援のあり方を考えるうえで新たな示唆を与えるものです。今後は、親の学歴や子ども時代の経済状況、住居などの要因も含めて、階層と性暴力の関係をさらに検討していくことが期待されます。 

小池准教授コメント 

「性暴力の被害の後に頼ることのできる支えやリソースは、ひとりひとりが置かれた環境によって異なります。今回の研究は、その違いを可視化するための一歩です。被害を打ち明けたとき、理解と支えをもって受け止めてくれる人や場所に、誰もが必要なときにたどり着ける社会に向けて、本研究が議論の材料となれば幸いです。」 

論文情報 

掲載誌:Asia-Pacific Journal: Japan Focus, Vol. 24(2026年9月) 
特集名:Sexual Violence in Japan: Involuntary Consent, Justice and Everyday Life(ゲストエディター:David Slater) 
論文タイトル:Educational Attainment, Cultural Capital, and Class Stratification in Japanese Women’s Experiences of Sexual Violence 
著者:Evan T. Koike(Organization for Liberal Arts Education, Shimonoseki City University) 
公開URL:https://apjjf.org/2026/9/koike 

論文はこちらから無料でご覧いただけます。 

ご相談窓口 

性暴力に関するご相談は、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(全国共通短縮番号 #8891「はやくワンストップ」、通話無料)で受け付けています。最寄りのセンターにつながり、夜間・休日も相談できます。
(本学の学生は、学内の相談支援センターでも専門の相談員に相談できます。一人で抱え込まず、ご相談ください。 相談支援センター:https://www.shimonoseki-cu.ac.jp/fuzoku/supportcenter )

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