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経済学科

経済学科イメージ

在学生数846名(うち留学生数10名) 男621名 女225名(2023年5月1日現在)

経済学科で学ぶこと
経済学の多様な手法を学び 社会問題の解決に取り組む

 経済学はとても幅広い学問です。あえて一言で表すならば、「社会をより良くするためにはどうすれば良いかを考える学問」です。どうすれば良いかを考えるためには、社会の仕組みを理解するとともに、現実の社会が抱える問題を把握し解決に向けた方策を考えていくことが求められます。
 現代社会は、グローバル化や情報化の進展、技術の高度化など、より複雑なものになっています。それに対応して、経済学においても大量の統計データの分析や人間の行動原理を理論に取り入れるなど、新たな研究手法が必要となっています。
 経済学科では、伝統的な理論から最新の分析手法まで、幅広い経済学のアプローチを学ぶとともに、グローバル経済から地域社会に至る多様なスケールの空間をフィールドとして、実証的な研究分析にも取り組んでいきます。社会が抱える問題に実際に触れることで、制度や政策の理解を深めるとともに、問題解決に向けた実践的な手法も学びます。

在学生VOICE

充実した学びと広い視野で地域活性化と地方創生を目指す

経済学科3年(2023年4月1日現在)
澤田 侑希 さん
(神戸星城高等学校 出身)

 金融や日本の経済情勢等の経済学に加え地域経済・社会の知識も併せて得られる下関市立大学の学びが、将来の夢である地方公務員の仕事に活かせると思い、進学を決めました。
 特に印象に残っている講義は、少子高齢化の社会で今後地域社会を維持するためのあり方について考究する「地域論」です。この講義で聞いた町の衰退についての内容は、高齢化により地域のイベント等が今ではほとんどなくなってしまい過疎化した地元の今と重なり、いつか地元を活性化させたいと思う自分にとって、とても重たく刺さりました。経済学科だからこそ地域のことも学習し、将来地域に合った政策や町おこしができるように多角的な視野を持てるように励んでいます。
 また、下関市立大学は少人数制の講義で先生にも気軽に質問ができるので、一人ひとりへのサポート体制も整っています。キャリアセンターや相談室もあり、それぞれの将来に向けて充実した環境で学ぶことができます。

 

カリキュラムポリシー(教育課程の編成・実施方針)

  1. 専攻基礎を通じて、経済学の主要なアプローチを理解する。
  2. 専攻応用「理論・分析手法」を通じて、経済現象について論理的な考察ができる能力を深める。
  3. 専攻応用「国際・東アジア」を通じて、国境を超える経済主体の行動・関係を考察できる能力を深める。
  4. 専攻応用「制度・政策」「地域」を通じて、経済・社会・地域に関する政策や制度を考察できる能力を深める。
専門教育カリキュラム
  専攻基礎 専攻応用 専門演習
理論・分析手法 国際・東アジア 制度・政策 地域
1年 経済学入門
経済数学
日本経済論
ミクロ経済学Ⅰ
マクロ経済学Ⅰ
経済原論Ⅰ
国際経済学入門
         
2年 ミクロ経済学Ⅱ
マクロ経済学Ⅱ
経済原論Ⅱ
経済統計
金融論Ⅰ
財政学Ⅰ
経済地理学Ⅰ
日本経済史
西洋経済史
国際経済学
産業組織論Ⅰ
計量経済学Ⅰ
経済学史
企業分析論
国際貿易論
開発経済学
経済政策Ⅰ
経済政策Ⅱ
金融論Ⅱ
財政学Ⅱ
社会政策
公共経済学
教育経済学
地域論
経済地理学Ⅱ
まちづくり論
社会学
 
3年   計量経済学Ⅱ
応用ミクロ経済学
産業組織論Ⅱ
応用計量経済分析
応用マクロ経済学
社会調査論
国際マクロ経済学
国際政治学
国際関係論
東アジア経済論
中国経済論
現代韓国社会論
国際金融論
多国籍企業論
アジア経済史
中国社会論
韓国経済論
現代資本主義論
証券論
労働経済論
社会保障論
環境経済学
非営利組織論
行政学
金融システム論
保険論
医療経済論
福祉経営論
地域政策Ⅰ
地域政策Ⅱ
地方財政論
中小企業論
水産経済論
都市計画論
都市社会学
地誌学
地域産業論
都市環境論
地方自治論
専門演習Ⅰ
4年           専門演習Ⅱ

※カリキュラムは変更することがあります。

授業PICK UP

ミクロ経済学
 ミクロ経済学は、ものをつくり、つくったものを他者とやりとりし、つかう・楽しむ世の中での私たちの幸せについて考える学問です。私たちが消費して幸せを感じるためには誰かが生産する必要があります。つまり、生産、交換、消費のプロセスすべてを視野に入れなければなりません。本講義では、人々が自らの幸せを第一に考えるときの行動の傾向を理解し、さまざまなものの価格と取引量の変化を同じ原理で説明できることを学びます。

西洋経済史
 米国の環境史家J.R.マクニールは「過去を知ろうとしない人物の欠点は、現代を知らないことである」と指摘しています。西洋経済史では、欧米諸国がどのような歴史的経緯を経て、資本主義を生み出したのか、そして資本主義は社会や人々の暮らしにどのような影響を与えたのかを検討していきます。その結果、現代の社会経済への理解が深まることを期待しています。映像や絵画資料などを利用して、暗記一辺倒とは異なる歴史の授業を行っています。

まちづくり論
 わが国は、人口減少に伴う少子高齢化社会、SNSの発達に伴うグローバル社会へと変化しています。ここで発生する問題や課題は、誰も経験したことがありません。だからこそ、地域を構成する産官民が協働し、その解決に向けた取組みを行うことが不可欠です。これを考える基礎として、まちづくりを科学的に考究し、現場で活躍する人々にも授業を通じて直接話を聞きます。そこから理論と現実の違いを学び、次世代を担う若者を育成します。

 

ディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

  1. 経済学の代表的なアプローチを理解し、幅広い視野から経済・社会について考察できる能力を身につけている。
  2. 数量的・統計的データやモデルも活用しながら、様々な経済現象について論理的な考察ができる能力を身につけている。
  3. 国境を超える企業や金融などの経済主体の行動や関係について、日本経済との関係も意識しながら考察できる能力を身につけている。
  4. 経済・社会・地域に関連する様々な政策や制度の意図について、それらの歴史的背景とあわせて理解するとともに、長所や短所を考察できる能力を身につけている。
卒論PICK UP

<優秀赤馬賞 受賞>
1984年健康保険法改正の政策決定過程分析
-自民党・厚生省・日本医師会の関係の変容に着目して-

経済学科2022年度卒業
横山 白波 さん
(岡山県立勝山高等学校 出身)

 医療業界に就職を希望していたため、医療政策についての研究を決めました。そのうえで、人口高齢化や経済状況によって変化する医療政策の歴史に目を向けたとき、「1984年の健康保険法改正」が大きな転換点であることを知りました。国民皆保険達成以降、健康保険法改正には数年を要するのが通例となっていたなか、1984年改正は一国会内で可決成立を果たしたのです。赤字財政下で当時の政治家や官僚がいかにして改正を成立へと導いたのか、私はその史実を追うごとに政治学に興味を惹かれ、自分なりの答えを出したいと思うようになりました。そこで、新制度論をはじめとした多くの理論に触れながら、「改正がなぜ実現し得たのか」について政策決定過程分析を行い、先行研究の見方に捉われず、その過程を独自に追跡しました。
就職活動やゼミ活動、卒論執筆を通じて多くの成功や失敗を積み重ねてきましたが、常に考えることをやめなかったこの日々は、自分自身を成長させ、未来の自分へと導くものであったと実感しています。