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下関市立大学
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お知らせ
#ゼミ活動長濱ゼミ 研修レポート「福岡県福津市を中心に合同ゼミ研修を実施しました」
7月13~14日、経済学部長濱ゼミ25名と長崎県立大学地域創造学部芳賀ゼミ15名で福津市を中心に合同ゼミ研修を行いました。
1. 福津市未来共創センターキッカケラボ訪問
福津市に関わる人々を「繋ぐ」場として、市民活動団体の支援だけでなく、多彩な活動を展開しているキッカケラボを訪問し、中村さん、鈴木さんよりレクチャーをいただきました。できるだけ気軽に参加でき、そして交流が継続できるような工夫についてお話しいただき、学生たちも興味深く聞いていました。
質疑では、学生が所属しているサークル活動を発展させる方法など、様々な質問が出て、丁寧に答えていただきました。「心を合わせることを目指しがちだけど、意外に難しい。まずは言葉を合わせることに注意してみては?」という、学生のこれからの活動に役立つアドバイスをいただきました。



2. 福津市の高校生との交流ワークショップ
全国的に地域住民や保護者が学校運営に参画し、地域と一体となって特色ある学校づくりを進める「コミュニティスクール制度」が広がりを見せています。福津市では、「未来を担う子供を育てる防災教育の推進」が、令和6年度の文部科学大臣賞を受賞されました(https://www.mext.go.jp/content/20241225_mxt_chisui02-000038765_4.pdf)。
このコミュニティスクールで育った地元高校生が、今年から様々な地域活動を計画されており、その一環として、高校生と大学生が「未来」を一緒に語る場を作ることにいたしました。コーディネーターの西田さんのファシリテートで「持続可能な社会になるために大切なことは何だろう」というテーマについて、高校生16名、大学生約40名がワールドカフェという方式で話し合いました。
あっという間の2時間でしたが、その中で「人と人との繋がり」「当事者意識」「知ること(教育)の大切さ」など、多彩な意見が出されました。
また大学生のリアルな生活や受験勉強のことなど、様々な話題が飛び交ったようです。交流を通じた得られた情報に、「とても良い時間を過ごせた」と、地元の高校生の皆さんも喜んでくださいました。大学生にとっても、普段の勉強で得た知識をアウトプットする機会にもなりました。
会場を準備してくださった宮司地区郷づくり協議会の皆様にも本当にお世話になりました。

交流の様子


その後、宿泊先であるグローバル・アリーナに移動し、1日の振り返りとバーベキューでの懇親の場を持ちました。長崎県立大学の学生とは初めて交流したのですが、1日の活動を通して、仲が深まった様子でした。

3. 福津市「藍の家」の訪問
14日の午前中は福津市津屋崎の藍の家を訪問し、代表の古閑さんから①津屋崎地域の歴史と課題、②戦時中の福津の様子についてお話を頂戴しました。
①については、大陸との窓口として繁栄した津屋崎地域が、近代化の中で衰退してきたこと。街並みを守る努力しているが、建物の建て替えも進み、難しさを感じていることなどを具体的に話していただきました。②については、古閑さんが地域のお年寄りから聞き取りされてきた成果について、熱く語っていただきました。戦争末期の沖縄戦以降、津屋崎地区に500名規模の兵隊が派遣され、米軍の上陸に備え始めたこと。その兵隊の色々な姿を当時の子どもたちは眺めており、その中には、軍隊内における暴力も多数あったこと。戦争を経験していない世代だからこそ、経験者の記憶にも学ぶ必要があることなどをお話しくださり、学生たちも真剣に話を聞いていました。教科書では語られない歴史だったこともあり、学生たちも強く印象に残ったようです。


4. 古賀市「海津木(うつき)苑」の見学
午後からは古賀市汚泥再生処理施設である海津苑を訪問し、施設の説明と見学の機会を得ました。小山苑長より、施設の歴史や設備についてお話を頂戴しました。し尿処理施設の建設にあたっては、当初、強い反対意見があったものの、「し尿処理に反対するということは、その仕事を差別することになりはしないか?差別反対を訴えてきた地域としてそれでよいのか?」という意見が出される中で、未来志向型の議論へと変わったこと、受け入れる条件として衛生的であることを徹底するとともに、女性の働く場所を確保するために工場団地を誘致したこと、その結果、現在ではし尿処理施設に食品加工工場が隣接する極めて珍しい発展を遂げたことなどをお話していただきました。
説明の後、施設内を職員の皆様にご案内いただきました。2023年に建て替えられたばかりの施設で、内装については見学者や働く人たちのことを考えて、施設の職員の皆さんが決定されたそうです。誇らしげに施設のことをお話になる姿が印象的でした。
学生たちも施設の最新の設備に驚くとともに、誇らしげに働く職員の方たちの姿に感銘を受けたようでした。


5. 古賀市エコロの森の訪問
最後に、古賀市のエコロの森を訪問しました。こちらは古賀市、福津市などのごみの焼却施設であると同時に、リサイクルプラザなどを併設した学びの場ともなっています。施設の概要やごみの減量についてお話を聞きました。ごみの分別が極めて重要であること、不要なものを買わないという行為も重要であることなど、学生自身の生活を見直す機会にもなったようです。
その後の施設見学では、大量のごみが処理される様子を見て、驚きの声が上がっていました。家庭内の不用品を安く販売するリサイクルプラザの試みも、学生たちには新鮮に映ったようでした。


今回も、多くの関係者のご厚意により、充実した研修が実施できました。大学内での机上の学びに加えて、それぞれの現場を見学させていただいたことで、学生たちの視野が広がったように感じます。お忙しい中、研修にご協力いただいた皆様に心からお礼を申し上げます。引き続き、大学と地域の繋がりを大事にした教育活動を展開したいと考えております。
[掲載日:2025年7月25日]
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経営企画部広報ブランド戦略課
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