国際商学科
実学を特色として、国際感覚や情報処理能力を養う
「国際政治経済学I」講義風景
国際商学科の特徴
1.グローバル化時代に求められる国際的視野と語学力を養う
国際商学科では、東アジアを中心にした国際政治経済の歴史と現状についての講義を充実させ、国際的視野の獲得を目指しています。あわせて東アジア・欧米など多くの国の人々とのコミュニケーション能力を高めるため、実践重視の語学教育カリキュラムを用意しています。特に、ビジネスに用いられる外国語教育に力を入れており、英語・中国語・朝鮮語の実習教育科目を数多く履修することができます。海外留学を目指す学生も多く、海外からの留学生との交流も盛んです。
2.グローバル・ビジネスに対応した基礎理論と実学
経済学の基礎理論の上に、商学・経営学の基本理論をまず学びます。その上で、4つの専攻領域で知識を深めます。「国際・東アジア」では貿易・金融、開発経済、経済統合など国際政治経済の動向、「流通・マーケティング」は商学を基盤としたビジネスと理論、「経営・経営情報」では現代企業における経営理論と経営実務、「会計・簿記」は財務や不正防止等の健全な企業経営の仕組みについて、それぞれ知識と実践力を深めることができます。
3.企業の実務に対応できるスキルの形成
語学・簿記・情報を中心として、企業の実務に対応できるスキルの形成が可能です。実践的な語学能力、会計、原価管理に関する理論や実務、企業情報システムやプログラミングに関する基礎的知識と実践能力を得ることができます。
カリキュラムポリシー(教育課程の編成方針)
国際商学科は、経済学に加え、商学・経営学の理論と実践を学びます。そのうえで、東アジアを中心としたグローバル・ビジネスや、ITを用いた経営管理、会計などビジネス上の実務的課題に適応できる能力を養成します。
1、2年次に、商学総論、経営学入門、国際経済学入門、簿記原理I、情報システム論などの専攻基礎科目を修得します。2年次から4科目群(A.国際・東アジア、B.流通・マーケティング、C.経営・経営情報、D.会計・簿記)の専攻基本科目を幅広く学習します。3年次からは4科目群のなかから、1群を選択し、同群の専攻応用科目を学ぶことを通じて専門性を高めます。そして、専門演習を通じて研究を深め、4年次の卒業論文の作成によってこれまでの学習の集大成を行います。
A. 国際・東アジア
国際貿易論、国際政治経済学などを通じてグローバル経済の理論と実際を学びます。また、東アジア経済論、中国経済論、多国籍企業論などを通じて東アジア経済の制度と現状、経済発展と企業の役割の理解を深めます。
B. 流通・マーケティング
流通論、マーケティング論、商業史などを通じて現代における市場の特徴を理解し、企業活動・戦略の歴史や現状について学びます。また、貿易実務や消費者法などからビジネスの実務的・制度的側面についての理解を深めます。
C. 経営・経営情報
経営管理論や人事労務管理論、経営情報論などを通じて経営の理論と手法を学びます。また、経営組織論や産業組織論、経営データ分析などから現代企業の組織と経営上の諸問題についての理解を深めます。
D. 会計・簿記
原価計算論や会計学原理を通じて会計と簿記の理論と実践を学びます。また、企業分析論や会社法などを通じて企業財務とコーポレート・ガバナンスについての理解を深めます。
4年間のカリキュラム
経済学・経営学・商学の基礎 |
A. |
B. |
C. |
D. |
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専攻基礎科目 4年間を通じた学習の基礎となる重要な科目です。 |
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-------- 国際商学 入門 |
マクロ経済学I 商学総論 経営学入門 国際経済学入門 簿記原理I 経営情報学入門 経済原論I |
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金融論I 東アジア経済論 簿記原理II 情報システム論 民法総論 国際政治経済学I 管理科学I ビジネス法入門 |
専攻基本科目 各科目群の中でも、基本的な内容を扱う科目です。4群の中から3群を選択し所定の単位数を取得します。 |
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国際マクロ経済学 国際貿易論 韓国経済論 アジア経済史 |
マーケティング論I マーケティング論II 商業史 流通論 債権法 |
経営管理論I 経営管理論II 人事労務管理論 経営情報論 経営史 |
原価計算論I 原価計算論II 会計学原理I 会計学原理II |
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国際政治経済学II 中国経済論I |
流通政策 物権法 |
企業倫理 経営統計学 |
企業分析論I 簿記原理III |
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専攻応用科目 各科目群の中でも、応用的な内容を扱う科目です。専攻基本科目で選択した3群の中から1群を選択し所定の単位数を取得します。さらに、専攻応用科目全体でも所定の単位数を取得します。 |
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経済政策I 現代韓国社会論 開発途上国論 国際関係論I 国際金融論 多国籍企業論 中国経済論II 経済統合論 国際協力論 |
貿易実務 リスクマネジメント論 証券論 消費者法 国際マーケティング論 物流システム論 保険論 電子商取引論 国際商品取引論 商業英語 |
経営組織論 非営利組織論 管理科学II 経営データ分析I 経営データ分析II 国際経営論 産業社会論 産業組織論I 生産管理論 |
監査論 公会計論 会社法I 会社法II 金融商品取引法 簿記原理Ⅳ 税務会計論 国際会計 非営利会計論 企業分析論II |
※専攻基礎科目、専攻基本科目、専攻応用科目を抜粋。なお、科目名等は変更となる可能性があります。
授業紹介
中国経済論 飯塚 靖 教授
日本の自動車産業の将来を左右する中国

中国は現在、自動車の生産・販売ともに世界一となりました。この世界最大の自動車市場で、トヨタ・日産・ホンダなどの日系自動車メーカーも、生き残りを賭けた熾烈な競争を展開しています。ただ、その活動は決して順調とは言えず、大変厳しい状況にあります。その理由は、先行したVW・GMなどの欧米勢が依然として高いシェアを占め、また韓国の現代自動車も躍進しているからです。
さらに問題は、外国企業が中国国内で自動車生産を行うには、中国国有企業との合弁でなければならないという規定になっていることです。このために、合弁相手の中国自動車メーカーが合弁事業を通じて資金と技術を急速に蓄積しており、独自ブランド車の生産にも乗り出しました。将来、この中国自動車メーカーも日系自動車メーカーの大きな脅威となると考えられます。このように本講義では、中国経済の現状を紹介し、日本はこの中国とどう向き合えば良いのかを考えていきます。
成長のプロセス
在学生の声
得意なものを生かしつつ、興味あることを見つける
私はもともと英語が得意で、英語の力を伸ばすことができると思い国際商学科に入学しました。下関市立大学では、英語以外の言語も第一外国語として選択可能なので、1、2年次に集中して学習することができました。私は2年次に学んだ簿記や会計に興味を持ち、より専門的に学びたいと思い簿記・会計系のゼミに所属し研究しています。
(国際商学科 H・Yさん)
国際的な視野を身につける
私は、国際的な視野を身につけたいと思い国際商学科に入学しました。1、2年次に第一外国語で選択した英語の授業では、ネイティブの先生からも英語が学べるので語学力を高めることができます。また、国際的な視野から経済学を学ぶことができるとともに、商学や経営学、会計学なども学ぶことができます。幅広く様々な知識を身につけることができ、興味の幅が広がります。その中で私は流通・マーケティングという分野に興味を持ち、関連したゼミを選んで専門性を高めています。
(国際商学科 S・Aさん)
ディプロマポリシー(卒業認定・学位授与に関する方針)
下関市立大学経済学部では、現代社会に適応しうる創造的で教養豊かな高度職業人たるべく、基礎教育を通じて論理的思考力を修得し、語学教育を通じて語学力・国際コミュニケーション力を高め、教養教育を通じて幅広い教養を身につけ、所属する学科に応じて以下の専門能力を獲得し、所定の要件を満たした学生に所定の学位を授与します。
国際商学科では、商学・経営学と経済学に関する基礎的知識をもとに、国際経済・国際関係、東アジア、流通、マーケティング、経営学、経営情報、会計・簿記に関する理論と実践の基本的知識を幅広く獲得し、それらのなかから自らの専門分野の応用知識を深く修得し、専門演習等を通じてグローバル時代の企業と経済が当面する諸問題を自ら分析し論理的に表現する力を身につけた学生に、学士(商学)の学位を授与します。
卒業論文のテーマ一例
<2020年度>
・家電販売チャネルとマーケティング戦略の変容:パナソニックグループを事例として
・画面に表示される案内キャラクターの種類によるスマートフォンアプリ等のUIの印象変化について
・米韓FTAによる韓国農業への影響と日本への示唆
・所有者不明土地問題と法改正に関する一考察:とりわけ土地所有権放棄について
・香港ナショナリズム:香港に住む人々はなぜ中国に帰属するのを拒むのか
・なぜオーストラリアのアジア系移民は増加したのか
・新型コロナウィルスにも対応しうる医療とは:国民を見捨てない社会保障
・男性の育児休業取得率を上げるために:代替要員の補充の重要性
・自動運転とEVがもたらす自動車産業の今後
・日本市場に参入する海外自動車メーカーに関する考察
・インフルエンサーが与える影響とマーケティングの変化
<2019年度>
・教員のなり手減少の背景:公立小中学校教員の長時間労働と給特法
・外国人生徒の不就学について
・トルコ進出を目指す日系企業についての考察:トルコ会社法と進出における課題
・労働力人口減少をAIで救えるか:改正入管法との比較を通じて
・アニマルセラピーの理論と実践:下関病院を事例として
・ハラル市場に進出する日本企業は増加するのか
・なぜ日本は外国人労働者を移民と定義しないのか
・アニメの聖地巡礼は地域に何を与えるか:静岡県沼津市の事例を考える
・ASEAN経済統合の歴史から見る関税撤廃:財ごとに異なるプロセスの考察
・「写ルンです」復活マーケティング戦略:復活マーケティング成功企業との比較
<2018年度>
・介護福祉士のホームヘルプ制度の展開と担い手の変遷:主婦から専門職、外国人労働者へ
・イギリスのEU離脱と中国経済への影響
・企業集団の成り立ちと将来の展望:三菱グループに焦点を当てて
・ベンチャー企業の発展段階におけるIPOとM&Aの選択
・日本のキャッシュレス化とQRコード決済の可能性
・中小企業の事業継承のためのCSRとコーポレートガバナンス
・なぜ東アジアで共同市場は実現出来ないのか:EUとの比較を用いて
・パッケージデザインにおける文字情報の在り方
・開発援助政策における知的支援の展開:石川プロジェクトとその継承を中心に
・コンビニエンス・ストアの販売戦略:ローソンとポプラの共同出店